若者に選ばれる企業を考えるときの出発点は、働く人が「自分はどんな仕事をし、どう成長し、どのように暮らせるか」を具体的に判断できることです。成長機会、働き方、仕事の意味を、制度の名称だけでなく日々の業務や社員の経験と結びつけて伝えます。
若い人でも、職種、経験、生活状況によって企業選びで重視するものは異なります。採用広報では、給与・勤務地・勤務時間などの条件を明確にした上で、仕事や組織の実態を知る材料をそろえましょう。この記事では、人事・採用担当者に向けて、情報の整理、伝え方、対話・体験の活用、振り返りまでを紹介します。

人事・採用広報のご担当者へ
仕事と組織の魅力を、
若者に伝わる接点へ。
Re-Generationは、若者の視点で仕事・組織の魅力を捉え、対話や体験を通じて採用につながる接点をつくります。自社の魅力をどう伝え、どのような場で若者と出会うかを一緒に考えます。
- 仕事・組織の魅力を整理
- 若者との対話
- 体験の接点づくり
若者との対話・体験を通じた接点づくりについて、支援内容をご紹介します。
「若者に選ばれる」を、入社後を具体的に想像できる状態から考える

「若者は成長を最優先する」「Z世代は社会貢献を重視する」と一括りにすると、伝える内容が狭くなります。まず募集する仕事を明確にし、どのような経験や関心を持つ人に知ってもらいたいかを整理します。その上で、応募を考える人が判断に使える事実を提供します。
厚生労働省の「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」は、業務内容、身につくスキル、キャリアパス、職場環境、労働条件などを、求職者が知りたい情報の例として挙げています。魅力を伝える内容と、働くための条件を併せて示す視点が参考になります。(出典:厚生労働省の手引・パンフレット)
採用広報の役割は、企業について知り、質問し、働く姿を考えられるようにすることです。応募数の増加だけでなく、候補者が理解した上で選べるかにも目を向けます。人材・企業文化など、数字に表れにくい価値全般は非財務価値を解説する記事で扱い、ここでは採用に必要な情報へ絞ります。
成長機会は、研修制度から仕事・支援・キャリアの具体像へ

「成長できる環境です」という言葉だけでは、応募者は入社後を想像しにくいものです。どんな経験を積めるか、難しい場面で誰に相談できるか、学んだことをどの仕事で試せるかまで説明します。
| 伝える要素 | 具体化する情報 | 掲載時の確認 |
|---|---|---|
| 担当する仕事 | 入社後に担当する業務、チーム内の役割、任される範囲 | 職種や配属先による違いはあるか |
| 研修・学習 | 研修内容、対象者、受講する時期、業務との関係 | 制度があるだけでなく実施しているか |
| フィードバック | 面談、業務の振り返り、相談相手、メンターとの関わり | どの場面で、どのような支援を受けられるか |
| 挑戦する機会 | 新しい仕事への参加、社内公募などの仕組み | 応募条件や選考があるか |
| キャリアの例 | 社員が経験した仕事、選択の理由、身についた力 | 一人の経歴を全員に保証する表現になっていないか |
社員インタビューでは「できるようになるまで」を聞く
仕事の成果だけでなく、初めて担当したときの戸惑い、教わったこと、試行錯誤、周囲の支援を聞くと、成長の過程が具体的になります。「入社後すぐに活躍できる」という印象をつくるより、どのような学びを経て仕事を担えるようになったかを伝えます。
社員の経験には職種、時期、個人差があります。「営業職の一例」「当時の制度」といった前提を添え、今の制度や募集内容と一致するかを確認してから公開します。
働き方は、制度の有無と実際の使われ方をセットで見せる

リモートワーク、フレックスタイム、休暇、相談制度などを紹介する際は、名称に加えて対象者、利用条件、現場での使われ方を説明します。全社共通の制度でも、業務内容や配属先によって運用が異なる場合があります。
| よくある表現 | 読者が知りたい具体像 |
|---|---|
| 柔軟な働き方ができます | 対象の職種、勤務場所や時間の決まり、チームで調整すること |
| 風通しの良い職場です | 意見を伝える場、相談相手、意見が検討された実際の過程 |
| チームワークを大切にしています | 誰と連携し、どんなときに支援を受けるか |
| 仕事と生活を両立できます | 利用できる制度、利用の手続き、部署の仕事の進め方 |
厚生労働省の手引では、情報を正確に保つことや、制度の整備状況と利用状況を併せて伝えることが示されています。更新時点を添え、数値には対象・期間・算出条件を付けると、応募者が意味を判断しやすくなります。(出典:厚生労働省の手引・パンフレット)
公表した数値や制度の説明を整理する際は、厚生労働省「しょくばらぼ」で、求職者が企業の職場情報を検索・比較できることも意識するとよいでしょう。自社の採用サイト、求人情報、説明会で情報の時点や定義がずれていないかを確認します。
運用に課題がある場合は、良い印象だけを作るより、現状と改善中の内容を分けて伝えます。発信担当者が把握した質問を人事や現場へ戻し、説明と職場の実態の両方を見直すことが大切です。
採用広報では、仕事の事実を記事・対話・体験へつなぐ

情報を増やすだけでなく、候補者が知りたいことを見つけ、質問できる流れをつくります。ウェブ記事、動画、説明会、職場見学などは、それぞれ得意な役割が異なります。
| 接点 | 伝えると役立つ内容 | 次につなげる工夫 |
|---|---|---|
| 採用サイト・求人ページ | 仕事内容、条件、成長の支援、社員の経験 | 詳しい情報や質問先を見つけやすくする |
| SNS・短い動画 | 仕事の一場面、社員が大切にしていること | 切り取った場面の前提を説明し、詳細へ案内する |
| 説明会・社員との対話 | 応募者ごとの疑問、業務の難しさ、職場の違い | 回答できなかった質問の確認先と返答方法を決める |
| 職場見学・仕事を知る体験 | 業務の流れ、社員との協働、職場の具体像 | 体験できる内容と、見られない範囲を事前に示す |
言い換え例|「若手が活躍」から、仕事の場面へ
例えば「若手が活躍しています」を伝えたい場合、「入社後の社員が担当した仕事」「任された範囲」「上司や同僚の支援」「難しかったこと」を組み合わせます。これは記事づくりの例です。実際の取材で確かめた内容を使い、架空の社員談や代表的でない実績を一般化しません。
「社会に貢献できる」という説明も、どの顧客の何を助ける仕事か、担当者が日々どのような判断をしているかまでつなげると理解しやすくなります。企業理念と、募集する職種の仕事の間にある接点を示しましょう。
候補者が聞きにくいと感じるテーマについては、事前の匿名質問や、選考と切り分けた情報提供の機会なども検討できます。実施する際は、参加の扱いと、どこまで質問に答えられるかを明確にします。

人事・採用広報のご担当者へ
企業を知るきっかけを、
対話と体験から。
Re-Generationは、若者の視点で仕事・組織の魅力を捉え、対話や体験を通じて採用につながる接点をつくります。自社の魅力をどう伝え、どのような場で若者と出会うかを一緒に考えます。
- 仕事・組織の魅力を整理
- 若者との対話
- 体験の接点づくり
若者との対話・体験を通じた接点づくりについて、支援内容をご紹介します。
企業と若者の対話・学習の実例から、接点づくりを考える

企業を知る入口は、求人情報だけではありません。事業が向き合う課題を学び、自分の関心と結びつけて考える場も、企業との接点になります。以下はRe-Generationが連携して実施した学習・対話の事例です。採用イベントとしての効果測定や、応募・入社の成果を確認した事例とは区別して紹介します。
NEC|会社の背景を知り、2030年の自分と未来社会を考える

2024年9〜10月、NECとRe-Generationは関西・九州・東北で、会社の歴史や事業を学ぶレクチャーと、参加者自身の経験・関心から未来社会を考えるワークを実施しました。参加者が考えた未来像に対して、NEC社員が講評・コメントを行いました。
この記事の視点から学べること:会社紹介に参加者自身の問いを重ね、社員と対話できる構成です。採用広報へ応用する際は、企業が伝えたことだけでなく、参加者が新たに知りたいと思った仕事や事業も把握する材料になります。
SMBC・HashPort・U-FINO|技術を学び、日常の未来像を描く

2024年1月28日、SMBC・HashPort・U-FINOと連携した未来社会デザインのプログラムを開催。実践者からWeb3.0/NFTなどについて学んだ後、参加者が技術を使ったアイデアや2040年の日常を考え、講師からフィードバックを受けました。
この記事の視点から学べること:専門的な事業テーマを学び、参加者の生活に置き換えて考えられるようにした設計が参考になります。この実施を、採用人数や定着率の改善の証拠とは扱いません。
自社で応用するなら、知ってほしい仕事や事業を一つ選び、短い説明、考える時間、社員への質問を組み合わせます。イベントの目的と参加者の関心が合っているかを確かめ、募集する仕事について知る機会へつなぐ場合は、その案内を分かりやすく示します。
採用広報を改善するために、理解・質問・次の行動を振り返る

情報を公開したら、閲覧数やイベント参加人数と、候補者の理解を分けて確認します。各接点が果たす役割に応じて、少数の確認項目を決めておくと改善につなげやすくなります。
| 確かめること | 確認の例 | 読み取りの注意 |
|---|---|---|
| 情報が届いたか | 記事閲覧、説明会参加、詳細情報への移動 | 人数の増加だけで理解や応募意欲は判断しない |
| 仕事を想像できたか | 知った仕事内容、成長機会、条件を本人の言葉で確認 | 好意的な感想と具体的な理解を分ける |
| 何が未解決か | 繰り返し出る質問、分かりにくかった説明 | 答えを追加するか、制度・現場を確認するかを分ける |
| 次の接点が必要か | 見学・面談・応募などへの希望や実際の行動 | 応募数や採用結果には条件や選考など複数の要因がある |
最初の改善は、採用ページ全体の作り直しでなくても構いません。例えば、成長機会に関する質問が多ければ社員の経験を一つ具体化し、働き方の誤解があれば対象条件の説明を加えます。実態に改善が必要な事項は、広報の表現だけで解決しようとせず、担当部署へ戻します。
- 募集する仕事と、知ってほしい相手が明確か
- 給与・勤務地・勤務時間などの条件と、魅力の説明がつながっているか
- 成長機会や働き方を、制度・利用・社員の経験で説明しているか
- 質問できる機会と、答えを返す方法があるか
- 情報の更新担当者と、次に見直す時期が決まっているか
若者に選ばれるための採用広報は、自社の実態を丁寧に伝え、相手が知りたいことを聴く営みです。仕事・成長・働き方の接点を具体化し、候補者が自分に合うかを考えられる情報と体験をそろえていきましょう。

人事・採用広報のご担当者へ
若者の視点で、
自社の魅力を捉え直す。
Re-Generationは、若者の視点で仕事・組織の魅力を捉え、対話や体験を通じて採用につながる接点をつくります。自社の魅力をどう伝え、どのような場で若者と出会うかを一緒に考えます。
- 仕事・組織の魅力を整理
- 若者との対話
- 体験の接点づくり
若者との対話・体験を通じた接点づくりについて、支援内容をご紹介します。



