Z世代との対話・共創は、若者の意見を集めるだけでなく、経験の違いを知り、一緒に考えられる問いをつくる取り組みです。参加の目的、話しやすい進行、意見の扱い、次の行動をセットで設計すると、発言が企画や実践につながりやすくなります。
「会話は盛り上がったが、何が分かったか説明できない」「一部の人しか話さない」といった課題に対して、本稿ではワークショップや継続的な交流の場をどう組み立てるかを解説します。

商品企画・マーケティングのご担当者へ
若者の声が活きる、
対話と共創の場を。
若者の経験や価値観を知り、商品・サービスの仮説を深める調査と共創を支援します。問いの整理から、参加者との接点づくり、対話・アイデアの具体化までご相談ください。
- 問いと対象者を整理
- 経験や価値観を深掘り
- 次の企画・検証へ
支援範囲・進め方・実践事例は、サービスページでご確認いただけます。
対話の目的と、参加者が関われる範囲を共有する

対話を始める前に、「今日は何を考えるのか」「意見はどこで使うのか」「誰が最終判断するのか」を伝えます。企業側が説明したい内容と、参加者が期待することを照らし合わせ、当日の到達点を決めます。
たとえば、未来の可能性を広げる会なら、実現案を一つに決める必要はありません。一方、次の実証企画を考える会なら、案の背景にある課題と、試すために必要な条件まで残します。目的が違う場を、発言数や満足度だけで同じように評価しないようにします。
| 参加前に伝えること | 確認する内容 |
|---|---|
| 目的 | 発想を広げる、課題を理解する、案を選ぶ、のどれか |
| 意思決定 | 何が決定済みで、どこを一緒に考えられるか |
| 記録と公開 | 発言、写真、成果物を誰が何のために使うか |
| 結果の共有 | いつ、どの方法で、企画の扱いを知らせるか |
人数の多さよりも、必要な経験の違いを話し合える組み合わせを考えます。年齢が同じでも、地域や生活、テーマに関する経験は異なります。初対面同士か、すでに関係があるかも進行を決める材料です。
一人で考える時間と、小さな対話を組み合わせる

大人数の場でいきなり意見を求めると、話すことに慣れた人の意見へ集まりやすくなります。最初に一人で書く時間を取り、次に少人数で共有し、最後に全体へ論点を持ち寄ると、複数の参加方法をつくれます。
書くことが得意な人、話しながら考える人、考えをまとめるのに時間が必要な人がいることを前提にします。発言しない人を意欲が低いと決めつけず、付箋や後からの記入など、その場の目的に合う参加方法を用意します。
リジェネレーションの実践 / NEC
自分の価値観から、社会の問いへ広げる

2024年9〜10月、リジェネレーションはNECと、関西・九州・東北で「2030年の自分と未来社会」を考えるプログラムを実施しました。参加者は自身の経験や価値観を言葉にし、社会課題を探索したうえで未来の社会像を構想しました。
この実践から考えること(筆者の考察)
NECとの実践では、個人の経験・価値観と、未来社会という大きなテーマを結びつけています。場づくりに応用する際も、最初から抽象的な社会課題の正解を求めず、本人が語れる具体的な経験から始めると、対話の入口をつくりやすくなります。
進行役は、すぐに良し悪しを評価する役割と、話の背景を確かめる役割を区別します。企業担当者の評価が気になる場では、まず経験を共有し、その後に事業条件を検討するなど、時間を分ける方法があります。

商品企画・マーケティングのご担当者へ
若者の声が活きる、
対話と共創の場を。
若者の経験や価値観を知り、商品・サービスの仮説を深める調査と共創を支援します。問いの整理から、参加者との接点づくり、対話・アイデアの具体化までご相談ください。
- 問いと対象者を整理
- 経験や価値観を深掘り
- 次の企画・検証へ
支援範囲・進め方・実践事例は、サービスページでご確認いただけます。
問いを、経験・背景・可能性の順に深める

「若者は何を求めていますか」と世代全体の代表を求めるより、「最近その場面で困ったことはありますか」と本人の経験を聞きます。出来事を確認した後に、そのとき大切にした条件や、別の選択肢を取らなかった理由を確かめます。
| 対話の段階 | 問いの例 |
|---|---|
| 経験を共有する | 最近、似た場面で何をしましたか |
| 背景を確かめる | そのとき、何を大切にして選びましたか |
| 違いを知る | 同じ場面でも、違う選び方をした人はいますか |
| 可能性を広げる | どの条件が変わると、別の行動を取りやすくなりますか |
リジェネレーションの実践 / SMBC・HashPort・U-FINO
現在と未来を行き来し、構想の理由を言葉にする

2024年1月の「第2回Umekita Pot feat.SMBC」では、SMBC、HashPort、U-FINOとリジェネレーションが、Web3・NFTを切り口に未来の暮らしを考える機会をつくりました。参加者は現在の一日を振り返り、2040年の生活をチームで構想し、発表とフィードバックを行いました。
この実践から考えること(筆者の考察)
現在の一日から未来の生活を描く構成は、抽象的な未来像の背景にある経験をたどるヒントになります。進行では「なぜその未来がよいのか」「現在のどの経験につながるか」を聞き、構想を参加者の生活へ結び直します。
ブランドの理解・違和感・約束したい価値を聞く例
ブランド開発の対話では、説明前の個人の受け止め方と、説明・対話後の反応を分けて残します。「共感できますか」から始めず、どの言葉や経験が判断につながったかを聞きます。以下は進行に追加するための質問例です。
| 確かめること | 問いの例 | 進行上の工夫 |
|---|---|---|
| 理解 | このブランドは、誰のどんな場面を助けるものだと思いますか | 最初に一人ずつ記入してもらい、企業側の説明前後を区別する |
| 違和感 | 意味が分からない言葉、実際の生活に合わない点はありますか | 否定的な声を反論で止めず、具体的な場面を聞く |
| 約束する価値 | 期待どおりだと感じるには、何が実際にできる必要がありますか | 欲しい機能だけでなく、期待を裏付ける体験や条件を残す |
集団で聞いた意見は、他の参加者の発言やその場で得た情報の影響を受けます。ブランドの認知率や市場全体の支持を測る場合は、ブランド調査として別に対象と質問を設計します。
個別インタビューの質問設計はZ世代リサーチの記事へ分けています。ここでは参加者同士の違いを扱いながら、共同で考える場の進め方を中心にしています。
多数決の前に、共通点・違い・保留点を整理する

意見が複数あると、すぐに投票で一つを選びたくなります。しかし、違う案が出た背景に、利用場面や前提の違いがあるかもしれません。先に共通点と相違点を整理し、何を基準に選ぶかを共有します。
記録には、発言者の表現、進行役が付けた見出し、企業側の解釈を混ぜずに残します。たとえば「便利そう」という発言を「利用意向が高い」と言い換えると、意味が変わる可能性があります。まとめを参加者へ戻し、意図と違わないか確かめましょう。
- 共通点:どの経験や条件が重なっているか。
- 相違点:誰の、どの場面では違うか。
- 保留点:追加で聞かなければ判断できないことは何か。
- 次の問い:実際に試して確かめたいことは何か。
共創の結果は、参加した人々と、その場の情報・進行の条件の下で生まれたものです。市場全体の賛否や需要を示す結果として扱う場合は、別の検証が必要です。
対話の結果を返し、次の行動を決める

対話の最後に、出た意見の扱いと次の連絡を具体化します。「検討します」で終えると、参加者は何に役立ったかを確かめられません。検討する部署、次に判断する時期、共有できる内容を、決まった範囲で伝えます。
対話の記録を、社内で決める論点へ渡す
架空の例で「一人暮らし向けと聞いたが、収納できる大きさが分からない」という声が出た場合、発言を「若者は省スペース商品が好き」とまとめ直さず、そのまま残します。その上で「説明不足か、仕様が合わないかは未確認」と整理し、商品担当には寸法・収納条件、広報担当には案内の分かりやすさを確認してもらいます。
共有シートには、発言と利用場面、企業側の解釈、採用・保留・追加検証の扱い、決定者、参加者へ返す日を記入します。対話の場で言葉を一つに決めきる必要はありません。価値の言語化はブランドコンセプトの記事の手順につなぎ、最終判断の理由を参加者へ戻します。
継続する企画では、毎回同じメンバーだけに頼るのか、新しい経験を持つ人も招くのかを考えます。慣れた参加者の深い議論と、新しい参加者が気づく前提の違いには、それぞれ価値があります。参加の負担と役割も見直してください。
企業の姿勢や社会的な価値への共感はZ世代と非財務的価値の記事、案を商品に育てる進め方はZ世代との商品開発を扱う記事へ整理しています。対話の企画から運営までの支援はリジェネレーションのサービスページでご確認いただけます。

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若者の声が活きる、
対話と共創の場を。
若者の経験や価値観を知り、商品・サービスの仮説を深める調査と共創を支援します。問いの整理から、参加者との接点づくり、対話・アイデアの具体化までご相談ください。
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- 経験や価値観を深掘り
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