兵庫県が主催し、一般社団法人Re-Generationが運営を担う「ひょうごZ世代 里山・里海環境リーダー育成プログラム」のDAY2を、2025年6月28日(土)に開催しました。
本プログラムは、兵庫県の里山・里海が持つ魅力や課題について学びながら、人と自然が共生するこれからの地域社会のあり方を、Z世代の視点から考える環境リーダー育成プログラムです。

DAY2では、DAY1や里海・里山フィールドワークで得た学びを振り返りながら、各チームの進捗共有、アイデア創出に関するレクチャー、未来社会デザインワークを実施しました。

DAY2のテーマは「アイデア創出」

DAY2の目標は、「アイデア創出について知り、未来社会デザインの一歩目を踏み出す」ことです。
DAY1では、参加者自身の興味関心を言語化し、里山・里海と自分自身の生活や関心との接点を見つめ直しました。その後、里海フィールドワーク、里山フィールドワークを通じて、参加者は実際の現場に足を運び、地域で活動する方々の取り組みや課題に触れてきました。

DAY2は、これまでの学びを踏まえて、いよいよ各チームが提言づくりに向けたアイデアを深めていく回です。
単に「面白いアイデア」を出すのではなく、現場で見聞きしたこと、参加者自身の問題意識、Z世代ならではの視点を組み合わせながら、未来の里山・里海に向けた提言の方向性を具体化していきました。
これまでの学びを振り返る

冒頭では、兵庫県環境部より主催者挨拶が行われた後、一般社団法人Re-Generationより、プログラム全体の流れとDAY2の位置づけについて説明しました。
本プログラムは、大きく以下の4つのステップで構成されています。
- 課題発見
- アイデア創出
- 未来構想
- 社会へ発信
DAY1、里海フィールドワーク、里山フィールドワークは、最初の「課題発見」にあたるパートです。
課題発見パートでは、参加者が自分自身の興味関心を言語化し、里山・里海の現場を訪れ、実践者との対話を通じて、自分たちなりの課題意識を深めてきました。
DAY2では、その学びを次のステップである「アイデア創出」へとつなげていきました。
当日のプログラム

当日は、以下の流れでプログラムを実施しました。
- 開会/全体説明
- チェックイン
- チーム進捗発表
- レクチャー
- 未来社会デザインワーク
- 中間発表
- 今後について
前半では、DAY1から今日までの学びを振り返り、各チームが現在の検討状況を共有しました。
後半では、アイデア創出の考え方を学んだうえで、課題の深掘り、アイデア創出、アイデア具体化のワークに取り組みました。
チェックインで、DAY1からの学びを共有


最初に、参加者同士でチェックインを行いました。
チェックインでは、以下の内容を一人ずつ共有しました。
- 改めて呼んでほしい名前
- DAY1から今日まで特に印象に残っている人・場所・取り組み
- プログラムでの目標
- DAY2の目標
参加者は、DAY1でのメンバーとの出会い、里海フィールドワークでのビーチクリーンやヒアリング、里山フィールドワークで出会った実践者の方々との対話など、それぞれに印象に残った学びを振り返りました。
フィールドワークを通じて、里山・里海が単なる自然環境ではなく、人の営みや地域活動と深く結びついた場所であることを実感した様子がうかがえました。
各チームが進捗を発表


続いて、提言作成チームごとに進捗発表を行いました。
各チームは、DAY1やフィールドワークで得た気づきをもとに、現時点で考えている課題意識や提言の方向性を共有しました。
発表では、他チームの視点から学びを得るために「中間発表 学習最大化シート」を活用しました。
シートでは、以下の観点から発表を聞き、気づきを整理しました。
- 発表のわかりやすかった点
- 発表内容で特に印象に残った点
- 改善できそうな点
- 自チームに活かせそうなこと
また、改善点については、以下の観点から考えました。
- 論理的か
- 共感できるか
- 資料がわかりやすいか
自分たちのチームだけで議論を進めるのではなく、他チームの発表を聞き、良い点や改善点を整理することで、自チームの提言にも活かせる視点を得る時間となりました。

レクチャー:提言作成の方法について

チーム進捗発表の後には、一般社団法人Re-Generationより「提言作成の方法について」をテーマにレクチャーを行いました。
レクチャーでは、改めて「良い提言とは何か」「実際に未来を創っていくには何が必要なのか」を考えました。
本プログラムにおいて参加者に求められるのは、Z世代ならではの「未来の価値観」や「革新性」です。
若者は、未来の市場や社会そのものを形づくっていく存在です。だからこそ、参加者自身が日々の生活の中で感じている違和感、価値観、行動様式の変化は、これからの社会を考えるうえで重要な示唆になります。
一方で、提言を社会に届くものにしていくためには、若者ならではの視点だけでなく、専門性や現場感も必要です。
そのため、本プログラムでは、以下の3つを組み合わせながら提言を磨いていきます。
- 革新性
- 専門性
- 現場感
Z世代ならではの視点を起点にしながら、フィールドワークや実践者へのヒアリングを通じて現場感を深め、持続可能な社会や地域課題に関する専門的な視点も取り入れていくことが大切です。

「使ってもらえるアイデア」を考える

レクチャーでは、アイデアを考えるうえで重要な視点として、「実際に知ってもらい、使ってもらえるか」という点も共有しました。
どれだけ良いアイデアであっても、誰にも届かなければ、社会を変える力にはなりません。
大切なのは、どのような課題を抱えている人に必要とされるのかを具体的に考えることです。
たとえば「若者向け」と一言で言っても、若者の属性や生活環境は多様です。
- 何歳くらいの人なのか
- どのような学生生活を送っているのか
- 都市部に住んでいるのか、地域に住んでいるのか
- どのような悩みや関心を持っているのか
- どのような場面でそのアイデアを必要とするのか
こうした問いを通じて、届けたい相手を具体化することで、アイデアはより実現可能性のある提言へと近づいていきます。
アイデア創出の方法を学ぶ

レクチャーでは、良いアイデアを考える方法として、主に2つの発想法を共有しました。
- リアプライ
- 逆転発想法

「リアプライ」とは、すでにあるアイデアやサービスを分析し、その要素や構造を理解したうえで、別の課題解決に応用する考え方です。
たとえば、身近な商品やサービスを要素分解し、「何と何を組み合わせることで新しい価値が生まれているのか」を考えます。既存の成功事例をそのまま真似するのではなく、構造を理解し、別のテーマに応用することで、新しいアイデアを生み出すことができます。
一方、「逆転発想法」は、もともとあるイメージや固定観念をあえて逆転させることで、新しい価値を生み出す考え方です。
たとえば、従来はネガティブに捉えられていたものを、見せ方や体験設計を変えることで、若者や新しい層に届くものへと変えていくことができます。
里山・里海についても、「遠い」「古い」「関わりにくい」といったイメージがある場合、それをどのように逆転させれば、若者が関わりたくなる体験になるのかを考えることができます。
未来社会デザインワークを実施

後半では、「未来社会デザインワーク」を実施しました。
提言作成は、以下の3つのステップで構成されています。
- 課題デザイン
- アイデア創出
- モデルづくり
DAY2では、このうち「課題デザイン」と「アイデア創出」を中心に取り組みました。
まず「課題デザイン」では、そもそも何が課題なのか、なぜその課題が起きているのかを深掘りしました。
次に「アイデア創出」では、課題の原因を解決するための斬新なアイデアや解決策を考えました。
最後の「モデルづくり」は、次回以降に取り組む内容として、アイデアを持続可能にするための価値提供やパートナーについて考えていきます。
課題を深掘りする「なぁぜなぁぜ」ワーク

最初のワークでは、各チームが設定した課題について、表面的に捉えるのではなく、背景にあるボトルネックを探るための深掘りを行いました。
ワークでは、課題に対して「なぜ?」を繰り返しながら、原因を掘り下げていきました。
ポイントは以下の2つです。
- 「Why」で深掘り続けること
- 分からないことは調べる、または質問すること
たとえば、「若者が自然に関わらない」という課題があったとしても、その背景には、アクセスの悪さ、準備の大変さ、衛生面への不安、情報不足、関わるきっかけの少なさなど、複数の要因があるかもしれません。
課題を一言でまとめるのではなく、なぜその課題が起きているのかを分解することで、より本質的な解決策を考えることができます。
アイデア創出ワークで、発想を広げる

続いて、各チームでアイデア創出ワークを行いました。
ワークでは、現在考えているアイデアの要素と、参加者自身が普段から興味を持っていること、面白いと感じること、イケていると感じる要素を書き出し、それらを組み合わせながらアイデアを広げていきました。
ここでは、先ほど学んだ「リアプライ」や「逆転発想法」を活用しました。
たとえば、里山・里海に対して若者が距離を感じているのであれば、若者が普段から関心を持っている体験、場所、サービス、コミュニケーション、趣味、ライフスタイルと組み合わせることで、新しい関わり方を考えることができます。
アイデア創出では、最初から完成度の高い提言を目指すのではなく、まずは発想を広げることを大切にしました。
アイデア具体化ワークで、利用者の体験を考える
アイデアを広げた後は、具体化のワークに取り組みました。
具体化にあたっては、5W1Hやストーリーボードの考え方を活用しました。
5W1Hでは、以下の観点からアイデアを整理しました。
- When:いつ認知/利用するのか
- Where:どこで利用するのか
- Who:誰が利用してくれるのか
- What:どのようなサービス/体験なのか
- How:どのような方法で利用するのか
- Why:なぜ利用してくれるのか
また、ストーリーボードでは、利用者がそのサービスや体験に出会い、実際に利用し、どのような変化や良いことが生まれるのかを流れとして整理しました。
アイデアを単なる思いつきで終わらせるのではなく、「誰が、どのような場面で、なぜ使いたいと思うのか」まで考えることで、提言の実現可能性が高まります。
最後に各チームが中間発表


ワークの最後には、各チームが検討した内容を短く発表しました。
発表では、課題の捉え方、アイデアの方向性、今後さらに深めたい点などを共有しました。
DAY2は、まだ完成した提言を発表する場ではありません。むしろ、ここから提言を磨き上げていくための出発点です。
各チームは、他チームや運営からのフィードバックを踏まえながら、今後のブラッシュアップに向けて課題やアイデアを整理しました。
次回に向けて、提言骨子をブラッシュアップ

DAY2の最後には、今後の進め方について共有しました。
次回のDAY3では、各チームから「プチ提言」を発表する予定です。
それに向けて、各チームは提言骨子に沿ってスライド作成を進め、ブラッシュアップミーティングを通じて内容を磨いていきます。
今後の主な流れは以下の通りです。
- 各チームで提言骨子を整理
- チームごとのブラッシュアップミーティングを実施
- DAY3でプチ提言を発表
- 提言内容をさらに具体化
- 中間発表に向けて発表資料を改善
- ひょうご里山・里海国際フォーラムで最終発表
DAY2で生まれたアイデアを、今後どのように持続可能な提言へと磨き上げていくかが、次の重要なステップとなります。
Z世代の視点を、未来の提言へ

DAY2では、これまでの学びを振り返りながら、各チームが未来社会デザインの一歩目となるアイデア創出に取り組みました。
里山・里海の未来を考えるうえで重要なのは、単に課題を指摘することではありません。
なぜその課題が起きているのかを深く考え、誰にとって必要なアイデアなのかを具体化し、地域や社会に実装できる形へと磨いていくことが求められます。
参加者は、フィールドワークで得た現場感と、Z世代ならではの価値観を組み合わせながら、未来の里山・里海のあり方を考え始めました。
一般社団法人Re-Generationは、兵庫県と連携しながら、参加者一人ひとりの学びと挑戦をサポートしてまいります。


