兵庫県が主催し、一般社団法人Re-Generationが運営を担う「ひょうごZ世代 里山・里海環境リーダー育成プログラム」のDAY3を、2025年8月9日(土)に開催しました。
本プログラムは、兵庫県の里山・里海が持つ魅力や課題について学びながら、人と自然が共生するこれからの地域社会のあり方を、Z世代の視点から考える環境リーダー育成プログラムです。

DAY3では、これまで各チームが検討してきた提言内容を共有したうえで、提言作成の方法やモデルづくりについて学び、アイデアを持続可能な形に具体化するワークを実施しました。

DAY3のテーマは「未来社会を構想し、具体化すること」

DAY3の目標は、「提言作成について知り、未来社会を一気に構想&具体化する」ことです。
DAY1では、参加者自身の興味関心を言語化し、里山・里海と自分自身の生活や関心との接点を見つめ直しました。

その後、里海フィールドワーク、里山フィールドワークを通じて、参加者は実際の現場に足を運び、地域で活動する方々の取り組みや課題に触れてきました。
DAY2では、フィールドワークで得た学びをもとに、課題を深掘りし、未来の里山・里海に向けたアイデア創出に取り組みました。

DAY3は、そこからさらに一歩進み、各チームのアイデアを「どのように実現するのか」「誰に価値を届けるのか」「どのようなパートナーと連携すれば持続可能になるのか」を考える回です。
単なるアイデアで終わらせるのではなく、社会に届く提言として形にしていくための重要な時間となりました。
当日のプログラム

当日は、以下の流れでプログラムを実施しました。
- 開会/全体説明
- チェックイン
- チーム進捗発表
- レクチャー
- モデル構築ワーク
- DAY3最終発表
- ラップアップ
- 今後について
前半では、各チームがこれまで検討してきた提言内容を共有し、他チームからの学びや改善点を整理しました。
後半では、モデルづくりや提言作成の考え方を学んだうえで、最終消費者、全体像、連携価値を具体化するワークに取り組みました。
チェックインで、チームの課題感を共有
最初に、参加者同士でチェックインを行いました。
チェックインでは、以下の内容を一人ずつ共有しました。
- 改めて呼んでほしい名前
- プログラムでの目標
- チームでの課題感
- 提言を聞く人に伝えたいこと
DAY3では、各チームが提言づくりの中盤に差し掛かっていることもあり、単なる近況共有ではなく、「チームとして今どこに悩んでいるのか」「提言を通じて誰に何を届けたいのか」を確認する時間となりました。
参加者は、これまでのフィールドワークやワークショップで得た気づきを振り返りながら、チームで深めたい論点や、発表で伝えたいメッセージを整理していきました。
各チームが提言の進捗を発表


続いて、提言作成チームごとに進捗発表を行いました。
各チームは、これまで検討してきた提言の概要や、解決したい課題、里山・里海との関連性について共有しました。
発表を聞く参加者は、「進捗発表 学習最大化シート」を活用しながら、他チームの発表から学びを整理しました。
シートでは、以下の観点から発表を振り返りました。
- 発表内容
- 提言概要
- 解決する課題
- 里山・里海との関連
- 発表内容で印象に残った点
- 改善できそうな点
- 自チームに活かせそうなこと

また、改善点については、以下の観点から考えました。
- 論理的か
- 共感できるか
- 資料がわかりやすいか
他チームの発表を聞くことで、自分たちの提言を客観的に見直すきっかけにもなりました。
「課題の伝え方は十分か」「アイデアの魅力は伝わっているか」「里山・里海とのつながりが明確か」など、発表を通じて各チームが次に深めるべきポイントを確認しました。

レクチャー:モデル創りと、提言作成の方法について
チーム進捗発表の後には、一般社団法人Re-Generationより「モデル創りと、提言作成の方法について」をテーマにレクチャーを行いました。
レクチャーでは、まず改めて「良い提言とは何か」「実際に未来を創っていくには何が必要なのか」を確認しました。
本プログラムにおいて重要なのは、Z世代ならではの未来の価値観や革新性を、専門性や現場感と組み合わせていくことです。
参加者に求められるのは、単なる若者らしいアイデアではありません。
自分たちの原体験や違和感を起点にしながら、フィールドワークで得た現場の知見や、里山・里海に関する学びを組み合わせ、社会に届く提言へと磨き上げていくことが求められます。
提言の価値を高めるうえで大切な観点として、以下の3つを改めて共有しました。
- 革新性
- 専門性
- 現場感
Z世代だからこそ感じられる違和感や価値観を起点にしながらも、現場で実際に活動している方々の視点や、持続可能な地域づくりに必要な専門性を組み合わせることで、より実現可能性の高い提言につながります。
提言作成は3つのステップで進める

レクチャーでは、未来社会デザインや提言作成の流れについても整理しました。
提言作成は、大きく以下の3つのステップで構成されています。
- 課題デザイン
- アイデア創出
- モデルづくり
「課題デザイン」では、そもそも何が課題なのか、なぜその課題が起きているのかを考えます。
「アイデア創出」では、課題の原因を解決するための斬新なアイデアや解決策を考えます。
そしてDAY3で特に重点的に取り組んだ「モデルづくり」では、アイデアを持続可能なものにするために、価値提供の方法や、連携するパートナーについて考えます。
DAY1からDAY2にかけて、参加者は課題を発見し、アイデアを広げてきました。
DAY3では、それらを社会に実装できる提言へと近づけるために、モデルづくりに取り組みました。
なぜモデルづくりが必要なのか

レクチャーでは、モデルづくりの重要性についても共有しました。
どれだけ魅力的なアイデアであっても、実際に社会の中で動かしていくためには、さまざまな人や組織との連携が必要です。
モノやサービスは、ひとりだけで提供することはできません。
たとえば、誰もが日常的に使っている身近な商品であっても、その背景には、素材の調達、加工、製造、流通、販売、利用者への届け方など、さまざまなプロセスがあります。
里山・里海に関する提言も同じです。
アイデアを社会に届けるためには、誰が使うのか、誰が支えるのか、誰と連携するのか、どのような価値を提供するのかを具体的に考える必要があります。
そのため、DAY3では、アイデアそのものだけでなく、実現に向けた関係者や提供体制まで含めて考えることを大切にしました。
モデルづくりで考えるべき論点

モデルづくりでは、以下のような論点を整理しました。
- 最終消費者は誰か
- 自分たちは何をするのか
- パートナーは誰か
- アイデアはどのようなものか
- どのような価値を提供するのか
- どのような関係者と連携するのか
- なぜその関係者は連携してくれるのか
提言を「よいアイデア」で終わらせず、「実際に動かすことができる構想」に近づけるためには、利用者だけでなく、連携先や実施主体にとっての価値も考える必要があります。
誰にとってどのようなメリットがあるのかを整理することで、提言はより現実的で説得力のあるものになります。
モデル創りワークを実施


後半では、「モデル創りワーク」を実施しました。
ワークは、以下の3つのパートで構成されました。
- 最終消費者を考える
- 全体像を考える
- 連携価値を考える
まず、「最終消費者を考える」パートでは、誰がその提言やサービスを利用するのかを具体化しました。

ここでは、単に「若者」「地域住民」といった大きなくくりではなく、どのような属性や悩みを持つ人なのかを具体的に考えました。
検討した観点は以下の通りです。
- どんな人か
- 住所
- 性別
- 年齢
- 職業
- どのような課題やニーズを持っているのか
- なぜ使ってくれるのか
- 使うとどうなるのか
- どこで認知するのか
- どこで購入・利用するのか
届けたい相手を具体化することで、提言の内容や伝え方、体験設計がより明確になります。
関係者と提供体制を整理する


次に、「全体像を考える」パートでは、アイデアを実現するための関係者とその関係性を整理しました。
ワークでは、以下の観点から、提言の全体像を考えました。
- 顧客
- 商品
- サービス
- 提供体制
- 連携先
- 連携内容
- 仕入れ
- 生産
- 販売
- 協賛
- 出資

里山・里海に関するアイデアは、自然環境だけで完結するものではありません。
地域で活動する団体、自治体、企業、教育機関、観光事業者、メディア、地域住民など、多様な関係者との連携が必要になります。
参加者は、自分たちの提言を実現するために、どのような人や組織とつながる必要があるのかを整理していきました。
関係者が連携する理由を考える


最後に、「連携価値を考える」パートでは、関係者がなぜその提言に協力してくれるのかを検討しました。
単に「協力してほしい」と考えるだけでは、提言は実現に近づきません。
大切なのは、関係者にとっても意味のある提案になっているかどうかです。

ワークでは、以下の観点から連携価値を整理しました。
- 誰が関係者になるのか
- その関係者はどのような課題やニーズを持っているのか
- その関係者は何をしたいと思っているのか
- 今できていないことは何か
- なぜ連携してくれるのか
- 連携によってどのような価値が生まれるのか
たとえば、企業にとっては販促やブランディング、自治体にとっては地域活性化や環境教育、学校にとっては探究学習や地域連携など、関係者ごとに連携する理由は異なります。
参加者は、提言の実現に向けて、利用者だけでなく、支える側にとっての価値も考えながら、提言内容を磨いていきました。
DAY3の最後に、各チームが発表

ワークの最後には、各チームがDAY3で検討した内容を発表しました。
発表では、これまでの課題意識やアイデアに加えて、最終消費者、提供体制、連携パートナー、実現に向けた論点などを共有しました。
DAY3は、完成した提言を発表する場ではなく、中間発表に向けて提言をさらに磨き上げるための回です。
そのため、発表を通じて、各チームは自分たちのアイデアの強みや不足点を確認し、次に深めるべきポイントを整理しました。
次回は中間発表会へ
DAY3の最後には、次回に向けた進め方について共有しました。
次回は、提言作成チームによる中間発表会です。
各チームは、これまで検討してきた「里山・里海の未来を創る提言」を発表します。
次回に向けて、各チームは発表資料を作成し、ブラッシュアップミーティングを通じて内容を磨いていきます。
今後の主な流れは以下の通りです。
- チームごとに提言内容を整理
- 発表資料を作成
- ブラッシュアップミーティングを実施
- 中間発表会で提言を発表
- 発表内容へのフィードバックをもとに改善
- ひょうご里山・里海国際フォーラムでの最終発表に向けて準備
中間発表では、これまでの学びをもとに、各チームがどのような未来の里山・里海像を描くのかが問われます。
Z世代のアイデアを、持続可能な提言へ
DAY3では、DAY2で生まれたアイデアを、より具体的で持続可能な提言へと近づけるためのモデルづくりに取り組みました。
里山・里海の未来を考えるうえで重要なのは、課題を見つけ、アイデアを出すことだけではありません。
そのアイデアを誰に届けるのか、どのような価値を生み出すのか、どのような関係者と連携すれば実現できるのかを考えることで、提言は社会に届く形へと近づいていきます。
参加者は、Z世代ならではの視点と、フィールドワークで得た現場感を組み合わせながら、未来の里山・里海のあり方を具体的に構想しました。
一般社団法人Re-Generationは、兵庫県と連携しながら、参加者一人ひとりの学びと挑戦をサポートしてまいります。


