Z世代の人口は、出生年の定義・集計時点・地域によって変わります。総務省の人口推計から2024年10月1日の12〜27歳を合計すると、総人口ベースで1,878.4万人、全総人口の約15.2%です。ただし、これはZ世代に近い年齢範囲を数えた値で、1997〜2012年生まれの厳密な人数や、2026年現在の人口を示すものではありません。
この記事では、総務省統計局の2024年人口推計をもとに、人数と構成比の計算方法を示します。企業・自治体の担当者が企画書に数字を使う際に確認したい条件と、人口から市場規模を考える手順を整理します。
Z世代の人口を調べる前に、定義・地域・時点をそろえる

まず決めるのは、誰をZ世代として数えるかです。本記事は1997〜2012年生まれという区分を考える際の参考として、年齢による近似集計を行います。区分には出典による違いがあるため、定義や年齢の詳しい説明はZ世代の意味・生まれ年・年齢を整理した記事をご覧ください。 他の世代と比較する場合は、X・Y・Z世代の出生年と区分の違いをそろえてから集計します。
次に、人数の範囲を確認します。国内で生活する対象者を考えるなら総人口、日本国籍の人を対象にするなら日本人人口が基礎になります。全国の人数と商圏内の人数、日本と世界の割合も分けて扱います。「Z世代以降」と書かれた資料は、Z世代だけの集計とは限りません。
人口推計の公表一覧には2026年9月の月報もありますが、本記事の計算には、1歳刻みで合計できる2024年10月1日の年次表を使います。月報の新しい総人口だけを分母にして、2024年の年齢別人数と組み合わせることはしません。
年齢と出生年にもずれがあります。2024年10月1日の12〜27歳は、誕生日で表すと1996年10月2日〜2012年10月1日生まれに当たります。1997〜2012年の暦年出生と完全には一致しません。企画書では「Z世代人口」とだけ書かず、「2024年10月1日・12〜27歳を年齢で近似した集計」と併記してください。
日本のZ世代に近い年齢層は何人?12〜27歳の人数と構成比

総務省「第1表 年齢(各歳)、男女別人口」(Excel)の12歳から27歳までについて、それぞれ男女計を足し合わせました。以下は当法人による再集計で、統計局が「Z世代人口」として公表した数値ではありません。
| 2024年10月1日の年齢 | 総人口 | うち日本人人口 |
|---|---|---|
| 12〜17歳 | 640.2万人 | 631.0万人 |
| 18〜22歳 | 586.7万人 | 548.2万人 |
| 23〜27歳 | 651.5万人 | 586.4万人 |
| 12〜27歳の合計 | 1,878.4万人 | 1,765.6万人 |
| 各列の全人口に占める割合 | 約15.2% | 約14.7% |
計算式は、総人口ベースが18,784千人 ÷ 123,802千人 × 100 = 約15.2%、日本人人口ベースが17,656千人 ÷ 120,296千人 × 100 = 約14.7%です。分母は同じ統計・同じ時点の全年齢人口を使っています。総人口の12〜27歳を、日本人人口全体で割るといった混在は避けます。
元の表は千人単位の公表値です。各歳の数値が丸められているため、合計は丸め前の人数の厳密な合計とは限りません。また、上の3区分は読みやすくするための年齢区分であり、中高生・大学生・社会人の人数ではありません。進学・就業状況を知るには、別の統計や対象者への確認が必要です。 人口以外の比率と並べる際は、Z世代の調査結果・統計資料集で母集団や設問の違いも確認してください。
人口の構成比と市場規模はどう違う?金額を試算する条件

人口が全体の約15%でも、消費金額の約15%を占めるとは言えません。市場規模を金額で捉えるには、商品・サービスの種類、購入者、対象地域、期間を決める必要があります。人数だけでは、購入する割合も、一人が使う金額も分からないためです。
基本の考え方は「対象者数 × 年間に購入する人の割合 × 購入者一人当たりの年間支出額」です。年間支出額を、1回当たりの支払額と年間購入回数に分けると、どの条件を確かめるべきかが見えます。
実務では、購入者割合と支出額を、対象に合う調査・購買記録などで確かめてから置き換えます。自社の売上を見込む際は、さらに認知、購入できる販路、競合との選択などを確認します。初回購入の人数と継続購入の回数も分けると、同じ顧客の二重計上を防ぎやすくなります。 人数と実際の選択をつなぐには、Z世代の消費行動と購買判断を、商品ごとの利用場面と合わせて考えます。
支出統計の単位にも注意が必要です。たとえば家計調査の詳細結果表の案内には、二人以上の世帯について「世帯主の年齢階級別」という集計があります。これは同年齢の個人全員の支出ではありません。世帯の支出額をそのまま若者一人当たりの金額として掛け算しないよう、表の対象を確認します。
事業計画では、年齢・地域・購入者で対象を絞る

全国の人口は大きさをつかむ出発点になります。商品企画や地域の事業で実際に接点を持てる人数を考えるときは、対象を絞る条件を足していきます。次の表は、企画時に確認する項目の例です。
| 企画の例 | 人口に加えて確認すること |
|---|---|
| 大学生向けの商品 | 在学状況、通学・居住地域、購入経験、使える予算 |
| 若手社会人向けのサービス | 就業状況、利用場面、支払者、継続利用の条件 |
| 自治体の若者参加事業 | 居住・通学・就業による地域との接点、募集の届き方、参加可能な時間 |
年齢だけで生活段階を決めず、利用する本人と代金を支払う人も分けます。保護者が支払う商品なら、本人の希望だけでなく、購入を決める際に何が必要かを確認します。オンラインでも、全国人口すべてを実際の到達可能人数とは扱いません。
異なる調査の割合を掛け合わせる場合は、地域・年齢・調査時点がそろっているかを見ます。たとえば全国の人口に、特定の大学で聞いた購入意向を掛けても、全国市場の確かな推計にはなりません。条件のそろう数字がない段階では、未確認の前提として残し、追加調査で確かめます。 対象条件を募集・質問へ落とし込む方法は、Z世代リサーチの設計手順で確認できます。
過去と比較するときも、同じ出生年の集団を追うのか、毎年同じ年齢層を比べるのかを区別してください。2024年と2026年の「12〜27歳」は、一部で異なる人を含みます。年齢を固定した人口の変化を、同じZ世代集団の増減と言い換えることはできません。
福井県の実践:県内人口だけでは捉えきれない若者との接点

福井県とのFukui Future Summitキャリアデザイン編は、若者が将来の暮らしや働き方を考える機会として、大阪と東京で実施されました。過去の経験や好きなこと・得意なことを言葉にし、仕事、プライベート、住まいを含む未来を考えるワークショップです。
この実践から企画担当者が考えられるのは、県内に現在住む人数と、県外で接点を持ちたい若者の範囲は一致しないという点です。市場や参加対象を考える際には、居住地だけでなく、出身地や地域との関係も確認する問いになり得ます。この事例は人口推計や移住効果を測定した調査ではありません。
人口データを若者理解につなぐ:NECとの実践から考える

人口を把握した後は、対象者が何に困り、どのような価値を求めるのかを確かめます。ここで必要になるのは、人数とは別の情報です。
実務では、まず人口統計で対象の規模をつかみ、対話で関心や選択の理由を探り、その意見がどの程度広がっているかを別途検証します。少人数の対話で出た声を、そのまま全国の購入率へ置き換えないことが大切です。
企画書をまとめる前に、①対象とする出生年・年齢、②地域と集計時点、③総人口か日本人人口か、④計算式と丸め方、⑤市場試算の未確認の前提を見直してください。人口の数字と、まだ確かめる必要のある仮説を分けることで、次に誰へ何を聞くべきかが具体的になります。
参考資料・出典
確認日:2026年9月27日。調査・実施の時点は本文中に記載しています。


