Z世代について企画書や提案書をつくるときに使える、一次資料への案内です。公的調査、17〜19歳の国際調査、白書、学術論文について、結果の一例と対象条件、原典の掲載場所をまとめました。資料の確認日は2026年9月27日です。
ここで扱う資料は、すべてがZ世代だけを調べたものではありません。年齢範囲や出生年は原典どおりに示します。調査そのものの選び方は若者の意識調査ガイド、数字の比較方法は調査データの読み方で詳しく解説しています。本稿は、必要な結果と出典へ戻るための資料集としてご利用ください。
Z世代の調査結果・統計・白書・論文の資料一覧

まず、確認したい内容に対応する資料を開いてください。下表の「使える場面」は当法人の編集上の提案です。掲載年が新しくても、回答を集めた年や対象者はそれぞれ異なります。
| 資料・公開元 | 公表/調査時期 | 対象・有効回答等 | 使える場面 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度こども・若者総合調査/こども家庭庁 | 2026年4月/2025年11〜12月 | 全国10〜39歳、9,648人 | 暮らしや居場所の状況を把握 |
| 第78回18歳意識調査/日本財団 | 2026年4月6日/2026年2月 | 6カ国の17〜19歳、各1,000人 | 社会への関心を考える |
| 令和8年版こども白書/こども家庭庁 | 2026年6月19日/収録資料による | 単一調査ではなく、対象・母数は図表ごと | 状況と政策の背景を押さえる |
| スポーツ観戦者の世代別コホート分析/西尾建 | 2022年9月30日/2019年11月 | 大会観戦者6,237人、うち論文のZ世代64人 | 観戦動機の研究結果を確認 |
たとえば「15〜39歳の回答」と「17〜19歳の回答」は別の集団です。表にある総回答数を、そのままZ世代の人数として引用しないようにしましょう。以下では、原典のどこに条件と結果が載っているかも示します。 集計範囲を決める際は、世代ごとの出生年の比較と、日本のZ世代人口・構成比の考え方を参照してください。
公的調査:暮らし・自己認識・居場所の統計を確認する

令和7年度こども・若者総合調査
調査概要の本文1〜2ページによると、2025年4月1日現在10〜39歳の男女20,000人を層化二段無作為抽出し、2025年11月25日〜12月12日に郵送・オンラインで実施。有効回答は9,648人で、10〜14歳が1,636人、15〜39歳が8,012人です。12月19日までに事務局へ到着した回答が集計対象に含まれます。
結果の概要6ページでは、15〜39歳の8,012人のうち、自分を肯定的に捉える設問「今の自分が好きだ」に肯定側の2選択肢で答えた割合は67.5%です。同8ページでは、インターネット空間を安心できる居場所だと思う回答(肯定側の2選択肢の合計)が59.8%と示されています。
自治体の居場所事業や若者との接点を考える際の基礎資料になります。ただし、59.8%は特定SNSの利用率や、オンラインだけで支援が十分だという結果ではありません。高校生向け施策なら、15〜39歳対象調査の本文と調査票へ進み、対象年齢に近い内訳を確認してください。 自己肯定感などの回答を企画で扱う際の注意点は、承認欲求・失敗への不安を決めつけずに理解する方法で具体化しています。
国際調査:17〜19歳の社会への意識を調べる

日本財団「18歳意識調査」第78回
第78回報告書の3ページに調査条件があります。日本・アメリカ・イギリス・中国・韓国・インドの17〜19歳男女を各1,000人、2026年2月4〜24日にインターネットで調査し、4月6日に公表しています。
日本財団「18歳意識調査」調べでは、日本の回答者1,000人について、国や社会に役立ちたいという項目への同意は68.0%、自分の行動で国や社会を変えられると思う項目への同意は52.7%でした。いずれも「同意」と「どちらかといえば同意」の合計です。原典の報告書16ページで、質問文と国別の結果を確認できます。
社会参加や企業との共創を考えるなら、「関心があるか」に加え、「参加した結果がどう生かされると感じるか」を聞く材料になります。これは数値から立てる企画上の問いであり、調査が参加率や施策の効果を測ったという意味ではありません。報告書は、ネット調査の回答に偏りが生じ得ることも明記しています。 社会への関心と実際の行動を分けて考える際は、Z世代の社会課題への関心と参加もご覧ください。
白書:状況と施策を見渡し、統計の原典へ戻る

令和8年版こども白書
令和8年版こども白書は、2026年6月19日に閣議決定・国会提出された資料です。第2部はこども・若者や子育て当事者の状況、第3部は政府が講じた施策をまとめています。若者施策の提案で、個別アンケートだけでは見えにくい背景を確認したい場面に向きます。
第2部第1章の図表には元の統計名と注記が付いています。たとえば図表2-1-1「出生数と合計特殊出生率の推移」は、厚生労働省「人口動態統計」を出典とし、2025年分には2026年6月3日公表の概数を用いています。白書の刊行年だけで、全図表を「2026年の調査結果」と扱わないことが大切です。
白書に一つの調査日や回答者数があるわけではありません。使いたい図表を選んだら、図表番号、元の統計、対象年を一緒に控えます。自社資料では「令和8年版こども白書から参照」と、元の調査名を併記すると、後から更新版を確認しやすくなります。
論文:特定の場面を分析した研究結果を探す

西尾建「スポーツ観戦者の世代別コホート分析」
2022年9月30日公開の招待査読論文は、ラグビーワールドカップ2019日本大会の観戦者を扱っています。論文の45〜48ページによると、JRFUメンバーズクラブ会員のスタジアム観戦者に2019年11月8〜17日、無記名Web調査を実施。16〜73歳の有効回答6,237人のうち、同論文でZ世代とする1996〜2003年生まれは64人でした。
論文48ページの分析結果によると、観戦動機20項目の平均値を4世代で比較した分析では、統計的に有意な差がある項目は認められませんでした。また、Z世代の回帰モデル全体は有意ではなかったと報告されています。特定の世代らしい説明だけを取り出さず、こうした結果も確認する価値があります。
スポーツやイベントの参加動機を調べる担当者には、質問項目と分析の組み立てが参考になります。一方、特定大会の観戦者を調べた結果であり、日本のZ世代全体の好みを説明する資料ではありません。引用時には全体6,237人と、Z世代64人を分けて示すことが必要です。 たとえば調査をイベントの企画へ活かす場合は、若者向けイベントの集客・参加設計のように、参加前・当日・参加後の行動へ問いを分けます。
実践記録:統計では分からない経験や提案を補う

参加者の発言や提案を知りたいときは、実施レポートも資料になります。以下の2件は、統計の数値を再現する調査ではなく、若者が考えを言葉にした実践記録です。
NEC:自分の経験から2030年の社会像へ
NECとRe-Generationの実施レポートでは、2024年9〜10月、関西・九州・東北の3か所で行ったプログラムを紹介しています。参加者が自身の経験や関心を言語化し、チームで共有した後、社会課題や望ましい未来像を考える構成でした。

社会意識の集計だけでは分からない「その関心はどんな経験から生まれたか」を聞く設計の参考になります。この接続は筆者の提案であり、当該プログラムが本稿掲載の調査を用いたという説明ではありません。
三木市:若者の提案資料まで読める実践
三木市が2024年7月12日に公開した報告には、7月7日の市制施行70周年記念式典での研究成果発表と、ゴルフ・山田錦・金物を扱った各チームの資料が掲載されています。参加者は1大学・5高校から募られています。Re-Generationの実施レポートでは、ワーク設計や進行、提案へのフィードバックを担当した内容を確認できます。

地域への関心を割合で知る資料と、具体的に何を提案したかを読む資料を組み合わせると、次に聞く問いが具体化します。参加者の提案を地域の若者全体の意見とせず、企画書には、集計結果・研究上の知見・実践記録をそれぞれの対象とともに残しましょう。 公開資料では答えきれない点を追加調査するなら、Z世代リサーチの目的・対象者・質問の設計へ進んでください。
参考資料・出典
確認日:2026年9月27日。調査・実施の時点は本文中に記載しています。
- こども家庭庁:令和7年度こども・若者総合調査
- 同調査:第1部 調査の概要
- 同調査:結果の概要
- 日本財団:第78回18歳意識調査 公表資料
- 日本財団:第78回18歳意識調査 報告書
- こども家庭庁:令和8年版こども白書
- 令和8年版こども白書:第2部第1章
- 西尾建:スポーツ観戦者の世代別コホート分析(J-STAGE)
- 同論文:全文PDF、マーケティングジャーナル42巻2号41–53頁
- Re-Generation:NECと考える2030年の自分と未来社会
- Re-Generation:三木市市制70周年記念 若者ミーティング
- 三木市:令和6年度三木若者ミーティング研究成果発表会
- Re-Generation:若者の意識調査ガイド
- Re-Generation:Z世代の調査データの読み方


