脱炭素に取り組みたいが、ほかの自治体が何をしているのかわからない……
事例を調べても大企業の話ばかりで、自分の組織に当てはめられない……
脱炭素は、次の4つの立場が役割を分担して進めています。
- 国:日本全体の目標と制度をつくる
- 自治体:計画を立てて区域の排出を減らす
- 企業:自社と取引先の排出を把握して減らす
- 個人:暮らし方を変える
脱炭素の取り組みとは、温室効果ガスの排出量を減らし、減らしきれない分を森林などの吸収でまかなって実質ゼロに近づけるために、国・自治体・企業・個人がそれぞれの立場で進めていることの全体を指します。どれか1つが欠けても、社会全体の排出量は減りません。
ただ、検索して見つかる事例は大企業の取り組みが中心です。自分の地域に置き換えて読むなら、規模や地理の条件が近い自治体の事例から見ていくほうが参考になるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
- 国・自治体・企業・個人の4つの主体がそれぞれ担っている役割
- 脱炭素先行地域に選出された自治体が行っている脱炭素の取り組み事例4選
- 一般社団法人Re-Generationが自治体・企業と実施した脱炭素取り組み事例⑥選
の3点を、環境省の公開資料とリジェネレーションの実績をもとにご紹介していきます。
脱炭素の取り組みをこれから進めたい自治体・企業のご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
右近宣人1999年大阪府生まれ 神戸大学 法学部卒業
神戸大学SDGs推進室の学生委員として、神戸大学・IGES(公益財団法人 地球環境戦略研究機関)連携の脱炭素社会の授業を履修。これを原点に若者・学生と環境課題をつなぐ事業に取り組む。
また、NPO法人en-courage 9期 本部メンバーとしては、全国の大学生を巻き込んだキャリア支援活動を展開。
2023年6月、関西電力で脱炭素分野の新規事業開発に関わる中、一般社団法人Re-Generationを設立し代表理事に就任。神戸市×IGES「未来社会デザインとカーボンニュートラル」、瀬戸内未来ビジョン、HYOGO GREEN NEXT等、全国の若者・学生を対象とした環境学習プログラムを企画・運営している。
脱炭素の取り組みとは?国・自治体・企業・個人の役割

はじめに、脱炭素の取り組みを誰が担っているのかを整理していきます。
脱炭素とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を減らし、排出量と吸収量が釣り合った社会を目指す取り組みのことです。同じ状態を指す言い方にカーボンニュートラルがあり、政府の文書では2つの言葉が並んで使われています。
言葉の意味と使い分けについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。


4つの主体が担っている役割

脱炭素の取り組みは、次の4つの主体が分担しています。
| 主体 | 担っている役割 | 代表的な取り組み |
|---|---|---|
| 国 | 日本全体の削減目標と法律・制度を定め、交付金で地域の取り組みを支える | 2050年カーボンニュートラルの宣言、脱炭素先行地域の選定 |
| 自治体 | 区域の温室効果ガスを減らす計画を立て、自らの施設から実行する(計画の策定は温対法で求められている) | 地方公共団体(地方自治体)実行計画の策定、公共施設への再生可能エネルギー導入 |
| 企業 | 自社と取引先が出している排出量を把握して減らす | Scope1・2・3の算定、再生可能エネルギー由来の電力への切り替え |
| 個人 | 自分の住まい・移動・食の選び方を変える | 住宅の断熱、公共交通の利用、食品ロスの削減 |
ここからは、この4つの主体を順番に見ていきます。
自治体・地域の脱炭素の取り組み事例4選
ここからは、国の事業に選ばれた脱炭素先行地域が実際に何をしているのかを、4つの事例で見ていきます。
脱炭素先行地域には、45道府県133市町村による102提案が選ばれています(2026年2月13日時点)。「2025年度までに少なくとも100か所」という目標に達したため、募集はすでに終了しました。
脱炭素先行地域は、国が地域を指定するのではなく、自治体からの応募で決まります。どの区域のどの施設を対象にして、2030年度までに何をするのかを自治体が計画提案書にまとめ、環境省の評価委員会が審査して選定する仕組みです。また、民間企業や地域の団体が共同提案者として加わることもできます。
ここでは、地域の規模と地理条件が重ならない4つの地域における脱炭素の取り組み事例を選択してご紹介します。ご自身の自治体に近い条件の事例から読み進めてみてください。
①北海道上士幌町|家畜のふん尿から電気をつくり地域新電力で配る

上士幌町は、十勝地方にある人口約5,000人の町です。酪農がさかんで、町内には大規模な畜舎が並んでいます。
上士幌町が進めている脱炭素に向けた取り組みは、町の産業から出るものを電源に変え、その電気を町の会社が町内へ配るという仕組みづくりです。電気を町の外から買う形から、町の中でつくって町の中で使う形へ切り替えました。
電源になっているのは、酪農施設から出る家畜のふん尿です。ふん尿を処理する過程で発生するメタンガスを使い、町内のバイオガスプラント6基分1,950kWで発電しています。

この電気を町内へ届けているのが、地域新電力の「かみしほろ電力」です。町有地や公共施設を活用した大規模太陽光発電2,000kW、一般住宅の卒FIT電力600kWもここに集めています。
電力以外では、全公用車両をEV・PHEVへ更新し、急速充電設備を備えたEVステーションを整備しました。防災拠点となる役場庁舎には、太陽光発電設備と蓄電池、自営線を設置してマイクログリッドを構築しています。
上士幌町の提案には共同提案者がいません。自治体が単独で計画をまとめ、町全域の住宅2,505戸、公共施設17施設、法人事業所95件を対象にしています。地域の産業から出るものを電源に変えた点と、それを配る会社が町の中にある点が、この事例の要です。
②神奈川県横浜市|郊外の屋上を借りて都心の街区をまかなう

横浜市が脱炭素先行地域の対象にしたのは、みなとみらい21地区にある64施設のうちの45施設です。オフィスビルや商業施設が建ち並ぶ都心の業務街区にあたり、一般社団法人横浜みなとみらい21との共同提案で選ばれました。
大都市の業務街区には、太陽光発電を置く土地も屋上も足りません。そこで横浜市は、市内の郊外にある未利用スペースに目を向けました。市営住宅や小中学校の屋上、調整池に太陽光発電設備を導入し、オフサイトPPAという仕組みで都心の街区へ電気を送っています。
あわせて、既設のごみ発電や風力発電を活用し、広域連携によって他自治体からも再生可能エネルギーを調達しています。大規模なデマンドレスポンスで系統への圧迫も和らげる計画です。
電力以外では、地区内の地域冷暖房設備を更新して省エネ性能を高めるほか、食品残さやペットボトルの削減と活用にも取り組んでいます。
発電する場所と使う場所を切り離した点が、この事例の要です。市街地に余白がない自治体でも、市内のほかの区域や近隣自治体と組めば再生可能エネルギーを確保できることを示しています。
③新潟県佐渡市|島の防災拠点をまとめて脱炭素にする

佐渡市は、新潟県との共同提案で選ばれた離島の自治体です。島は本土と送電線でつながっておらず、エネルギーを島外からの化石燃料に頼っています。災害時の電源喪失という、離島ならではのリスクを抱えた地域です。
そこで佐渡市は、防災・観光・教育に関わる125施設を脱炭素先行地域の対象にしました。101施設の屋上などに自家消費型の太陽光発電7,313kWと蓄電池を置き、耕作放棄地を活用したオフサイト太陽光発電2,000kW、木質バイオマス発電380kWも組み合わせています。
旧市町村の単位で市役所・支所・サービスセンターを選び、10地区に1MWクラスの大型蓄電池を導入しました。これらをエネルギーマネジメントシステムで一元管理し、施設どうしで電力を融通します。
移動の面では、公用車を9年間で25台EV化し、道の駅「あいぽーと佐渡」に再生可能エネルギー100%のEVステーションを整備しました。高齢者の外出や旅行者の移動には、グリーンスローモビリティ2台を使った小型の地域移動サービスを提供しています。
脱炭素と防災を同じ計画で進めている点が、この事例の要です。島の弱点であるエネルギーの脆弱さを出発点にしたことで、住民にとっての必要性が伝わりやすい計画になっています。
④栃木県宇都宮市|LRTで動く電気を再生可能エネルギーだけでまかなう

宇都宮市が脱炭素先行地域の対象にしたのは、JR宇都宮駅の東側に広がるLRT沿線のエリアです。隣接する芳賀町と、地域新電力・エネルギー・交通の企業5社をあわせた6者の共同提案で選ばれました。
宇都宮市は、以前から「ネットワーク型コンパクトシティ」を掲げてまちづくりを進めてきました。2023年に開業したLRT(次世代型路面電車)を、脱炭素の軸に据えたのがこの計画です。
沿線の民間施設・住宅・大学に太陽光発電7,215kWと蓄電池を入れて自家消費を進めるほか、調整池などに太陽光発電2,811kWを置き、新たに敷設する自営線で送ります。LRTの受電箇所には2,400kWhの大規模蓄電池を導入しました。
このエリアで電気を使う先として想定しているのは、民間施設23施設、住宅1,533戸、宇都宮大学陽東キャンパス、作新学院大学清原キャンパス、公共施設16施設です。EVバスを蓄電池として扱い、バスの運行とエネルギーの需給管理を1つにまとめるしくみも開発しています。
住民が毎日使う交通を脱炭素の中心に置いた点が、この事例の要です。LRTに乗ることがそのまま再生可能エネルギーの利用になるため、住民が取り組みを実感しやすくなります。
企業に求められている脱炭素の取り組み
続いて、企業に求められていることを確認していきます。
企業の脱炭素は、自社の排出量を数えるところから始まるのが一般的です。排出量は次の3つに分けて数えます。
- Scope1:自社が燃料の燃焼や工業プロセスで直接出した排出量
- Scope2:自社が購入した電気や熱をつくる際に出た排出量
- Scope3:原材料の調達から製品の使用・廃棄まで、取引先を含めた排出量
大企業が自社のScope3を数えると、その中身は取引先のScope1・2にあたります。そのため、取引先から排出量の報告を求められる中小企業が増えました。これにより、自社が目標を掲げていなくても、取引を続けるために排出量を数え始める必要が出てくる場面があります。
自治体の計画に企業として参画するという選択肢
企業の脱炭素というと自社の取り組みを思い浮かべますが、地域の計画に共同提案者として加わる道もあります。
先ほどの脱炭素先行地域では、選ばれた提案の多くに企業名が並んでいます。エネルギー会社や金融機関だけでなく、建設会社、食品メーカー、地元の商店まで顔ぶれはさまざまです。岩手県釜石市のように、20を超える企業・団体が名前を連ねている地域もあります。また、宇都宮市の取り組み事例も、地域新電力やエネルギー、交通の企業5社が加わった提案でした。
自治体の計画に加われば、自社の設備投資を地域の脱炭素の一部として位置づけることができます。地域とのつながりをつくりたい企業にとっては、自社だけで取り組むより踏み出しやすい入り口になるでしょう。
個人が暮らしの中でできる脱炭素の取り組み

次に、個人が暮らしの中でできることを見ていきます。
環境省は、脱炭素につながる暮らしを広げるための国民運動として「デコ活」を進めてきました。脱炭素(Decarbonization)とエコを組み合わせた言葉で、取り組みは「デ・コ・カ・ツ」の4つに整理されています。
- デ:電気も省エネ 断熱住宅
- コ:こだわる楽しさ エコグッズ
- カ:感謝の心 食べ残しゼロ
- ツ:つながるオフィス テレワーク
「デコ活」は、住宅の断熱や食品ロスの削減など、家庭の中で完結する内容が中心です。個人の取り組みは1件あたりの温室効果ガス削減量が小さいものの、取り組む世帯が増えるほど、社会全体の削減量に占める割合は大きくなります。
自治体は住民への広げ方を考える立場にある
自治体のご担当者にとって、デコ活は住民向けの施策を考える手がかりになります。環境省はデコ活宣言をした自治体の一覧と地図を公開しており、近隣の自治体がどう打ち出しているかを確認できます。
ただし、暮らし方を変えてもらう施策は、呼びかけるだけでは住民に届きません。誰に向けて、どの場面で伝えるかを決めるところから設計する必要があります。
一般社団法人Re-Generationが実施した脱炭素の取り組み事例6選
ここからは、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が自治体・企業とともに実施してきた脱炭素の取り組み事例を6件ご紹介していきます。
ここまでに見てきた事例は、設備と制度の話でした。一方で、計画を実行する段階になると、地域の中にその担い手がいるかどうかが問われます。一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)は、若者・学生が地域の課題を自分のこととして考える場をつくる役割を担ってきました。
①神戸市|未来社会デザインとカーボンニュートラル

「未来社会デザインとカーボンニュートラル」は、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が、神戸大学、IGES(公益財団法人 地球環境戦略研究機関)との3者共催で開催した脱炭素取り組みプログラムです。神戸市が進める都心三宮再整備事業を題材に、大学生が神戸市の職員やIGESの研究者と同じグループに入り、「神戸三宮をカーボンニュートラルな街にする方法」を議論しました。
- 開催日:2023年2月14日(会場:神戸大学 眺望館)
- 共催:神戸大学/IGES/一般社団法人Re-Generation
- 実施協力:神戸市 都心三宮再整備課
- 参加者:大学生25名(定員)
- リジェネレーションの担当:企画・集客・当日の運営・議論の整理
2時間のプログラムを、レクチャー30分、ワークショップ60分、フィードバック20分、まとめ10分の4つに分けました。カーボンニュートラルの基礎と再整備事業の現状を先に共有してから議論に入る順番にしたことで、学生の発想が現場の条件とかみ合う状態をつくっています。募集は個人単位ではなく関西圏の学生団体へ直接声をかける形をとり、定員25名は開催1か月前に埋まりました。
議論からは、二酸化炭素の排出量に応じて色が変わるモニュメントを広場に置く案、神戸の山風と海風を使った発電、カーボンニュートラルに取り組む飲食店を集めたイベントなど、行政の検討では出にくい案が並びました。神戸市とIGESからは、政策や研究を進めるうえで若者の視点が大切だと気づかされたという趣旨のコメントが寄せられています。リジェネレーションの原点となったプロジェクトです。
一般社団法人Re-Generationの脱炭素取り組み事例である神戸市「未来社会デザインとカーボンニュートラル」の詳細は、以下の記事をご覧ください。

②兵庫県|HYOGO GREEN NEXT

「HYOGO GREEN NEXT」は、ひょうご環境保全連絡会(事務局:兵庫県)が主催する環境リーダー育成プログラムです。兵庫県が「SDGs+beyond社会」と呼ぶ2030年より先の社会に向けて、関西全域から集まった大学生・若手社会人を中心とする約12名が4チームに分かれ、新たな里山・里海のあり方を実現する事業案をまとめました。
- 実施時期:2024年9月29日〜2025年1月13日(全3回)
- 主催:兵庫県、ひょうご環境保全連絡会/運営:一般社団法人Re-Generation
- 対象:兵庫県在住、または兵庫県の里山・里海に関心がある30歳以下の方
- 参加者:約12名(4チーム)
- 会場:兵庫県立兵庫津ミュージアムほか
1回目は兵庫津ミュージアムの展示見学とレクチャーから始め、自然と自分のつながりを書き出したうえで、地域と環境の課題を設定しました。2回目は里山と里海に分かれてのフィールドワークです。3回目で地域資源が循環するしくみを学び、4チームがそれぞれ事業案を発表しています。
フィールドワークでは、事業者の成功事例だけでなく、いま直面している課題まで聞き取る時間をとりました。現地を見てから考えた提案は、資料だけを読んで考えた提案より具体的になります。また、約12名を4チームに分けたことで1チームは3名前後になり、全員が意見を出さないと議論が進まない状態が生まれました。
一般社団法人Re-Generationの脱炭素取り組み事例である兵庫県「HYOGO GREEN NEXT」の詳細は、以下の記事をご覧ください。

③兵庫県|ひょうごZ世代 里山・里海環境リーダー育成プログラム

兵庫県が主催した「ひょうごZ世代 里山・里海環境リーダー育成プログラム」は、リジェネレーションが企画運営を担った脱炭素プログラムです。前年度のHYOGO GREEN NEXTに続く実施で、2025年度は地域循環共生圏の考え方を出発点にしました。約5か月のワークショップとフィールドワークを経て、参加者15名が4チームに分かれ、2025年9月27日の「ひょうご里山・里海国際フォーラム」で「Z世代による提言」を発表しています。
- 活動期間:2025年5月10日〜9月27日
- 主催:兵庫県/運営:一般社団法人Re-Generation
- 対象:兵庫県在住、または兵庫県の里山・里海に関心があるおおむね30歳以下の方
- 参加者:15名(4チーム、募集は20名程度)
- 最終発表:ひょうご里山・里海国際フォーラム(2025年9月27日)
ワークショップ3回とフィールドワーク2回に加えて、回と回のあいだにメンタリングの期間を置きました。里海は「Suma豊かな海プロジェクト」のイベントへの参加、里山は「日本一の里山・北摂里山フィールドパビリオン」と連携した現地訪問です。8月下旬の中間発表をはさみ、4チームがZ世代の課題と里山・里海の課題を掛け合わせて、それぞれのテーマを設定しました。
最終発表の場は、行政・研究者・企業・地域の関係者が集まる国際フォーラムで行いました。外部に発表すると決まっている状態で準備を進めたことが、参加者が提言の内容を何度も見直すことにつながりました。脱炭素プログラムを設計する際は、すでに開催が決まっているイベントに最終発表を組み込めれば、運営の負担を増やさずに成果を高めることが可能です。また、半年規模のプログラムでは、集合しない期間をどう支えるかも成果を分けました。
一般社団法人Re-Generationの脱炭素取り組み事例である兵庫県「ひょうごZ世代 里山・里海環境リーダー育成プログラム」の詳細は、以下の記事をご覧ください。

④山口県|やまぐち未来環境アクション学生プログラム

「やまぐち未来環境アクション学生プログラム」は、山口県が主催し、リジェネレーションが事務局を務める次世代環境リーダー育成プログラムです。県内の高校生から大学院生までが、専門家のレクチャー、フィールドワーク、企業との対話を通じて、持続可能な山口につながるアイデアとアクションを考えます。2026年8月2日にキックオフセッションを開催した、現在進行中の取り組みです。
- 主催:山口県/後援:山口県教育委員会/事務局:一般社団法人Re-Generation
- 対象:山口県内の高校生・高専生・専門学校生・大学生・大学院生
- DAY1:2026年8月2日(会場:KDDI維新ホール)
- 構成:ビジョン策定・課題発見/アイデア創出/未来デザイン/地域社会への発信の4ステップ
プログラムのDAY1では、山口県環境生活部環境政策課、環境省中国四国環境局、エシカルバンブー株式会社の3者がレクチャーを担当しました。県からは緩和策と適応策の両面の取り組み、国からは地域脱炭素が防災や交通といった地域課題の解決にもつながること、企業からは管理されなくなった竹林を洗剤や繊維の原料に変えている事業について、それぞれ異なる立場から話しています。
続くワークショップでは、参加者が起床から就寝までの行動を衣・食・住の視点で書き出し、それぞれに環境の視点を重ねて、自分が関心を持つテーマを決めました。参加者からは、普段持ち歩いている水筒が環境にもつながっていたことに驚いたという声が出ています。DAY1の狙いは、脱炭素を大きな話のままにせず、参加者が自分の1日の行動に置き換えて考えてもらうことでした。この後は、秋吉台・美祢・萩エリアでの1泊2日のフィールドワークへ進みます。
一般社団法人Re-Generationの脱炭素取り組み事例である山口県「やまぐち未来環境アクション学生プログラム」の詳細は、以下の記事をご覧ください。

⑤瀬戸内海環境保全知事・市長会議|瀬戸内未来ビジョン

「瀬戸内未来ビジョン」は、1973年に制定された瀬戸内海環境保全特別措置法(瀬戸内法)の50周年を記念する事業です。環境省や兵庫県をはじめ、瀬戸内海沿岸の府県・政令指定都市で構成される「瀬戸内海環境保全知事・市長会議」が主催し、リジェネレーションは次世代参画プログラムの企画から当日の運営までを担当しました。
- 実施時期:2023年7月〜11月
- 主催:瀬戸内海環境保全知事・市長会議(環境省、兵庫県ほか沿岸の府県・政令指定都市)
- 参加者:沿岸地域の大学生4チーム、高校生21校
- リジェネレーションの担当:全3回のワークショップの設計と進行、映像制作と編集のレクチャー、提言資料の制作
大学生チームは、約2か月で全3回のワークショップに臨みました。広島大学の松田治名誉教授の講話で瀬戸内海の過去と現状を学び、神戸新聞社の編集委員からは情報をまとめて伝える技術を学んでいます。会議室の議論だけで終わらせず、淡路島のしらす加工場や水産技術センター、大阪府森林組合などを訪ね、森と川と海のつながりを現場で確かめました。
11月12日の50周年記念式典では、全21校の高校生によるポスターセッションと、大学生4チームによる提言が行われました。最優秀に選ばれた高校の発表は、市民がごみを見つけたときにアプリで写真と位置情報を送り、集まったデータを地図にして地域の清掃活動に役立てる仕組みとなっています。大学生からは、瀬戸内の特産品を定期的に届けるギフトボックスのアイデアや、船で瀬戸内をめぐりながら海水の二酸化炭素吸収量を測る観光のアイデアなどが発表されました。
式典に参加した環境省の担当局長と神戸市の副市長からは、実際の施策立案にも参画してほしいという言葉が寄せられました。複数の府県と政令指定都市にまたがる広域の事業で、若者の参画をどう組み込むかを設計した取り組み事例です。
一般社団法人Re-Generationの脱炭素取り組み事例である「瀬戸内未来ビジョン」の詳細は、以下の記事をご覧ください。

⑥NTT東日本|地域循環ミライ共創サミット

「地域循環ミライ共創サミット」は、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)とリジェネレーションが連携して実施した脱炭素取り組み事例です。「地域循環型社会の共創」をテーマに、高校生から社会人までが現状と理想の「都市と地方の循環社会」を描きました。
- 開催日:2025年7月13日(会場:NTT東日本 本社)
- 参加者:高校生〜社会人、メンターを含めて約20名
- 構成:NTT東日本 地域循環型ミライ研究所によるレクチャーと、ワークショップの2部
「地域循環ミライ共創サミット」のレクチャーでは、音に注目した地域活性化など、NTT東日本が各地で進めている取り組みを共有いただきました。ワークショップでは、現状の社会モデルの見える化、理想の姿を描く未来社会デザイン、実行プランニングの3段階で構成され、都市の中の関係、地方の中の関係、都市と地方のあいだの関係に分けて整理していきました。
また実行プランニングでは、描いた理想と自分がいま関わっている活動を照らし合わせ、参加者それぞれが所属する学生団体で次に何をするかまで落とし込んでいます。締めくくりには、一人ずつが「ミライ宣言」を行いました。リジェネレーションは、これまで自治体と実施してきた脱炭素プログラムの設計を、企業の事業開発の文脈に置き換えて運営サポートさせていただきました。
一般社団法人Re-Generationの企業との脱炭素取り組み事例であるNTT東日本「地域循環ミライ共創サミット」の詳細は、以下の記事をご覧ください。

脱炭素に向けた計画づくりは全国の自治体で進んだ一方で、実行はこれから
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が全国1,788の自治体を対象に調べたところ、ゼロカーボンシティを表明した自治体は1,215(68.0%)に達していました。一方で、表明した1,215のうち、調達する電力の60%以上を再生可能エネルギーにしている自治体は45(3.7%)にとどまります。
調査の詳細は、以下の記事でご覧いただけます。

表明と計画づくりは進みました。ここから先で問われるのは、計画に書かれた内容を地域で実行する人がいるかどうかです。
脱炭素の取り組みでお困りの自治体・企業の皆さまへ
計画は作ったものの、実行する段階で止まってしまっている……
若者向けの取り組みを始めたいが、進め方が決まっていない……
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)では、以下のような形で自治体様・企業様のプログラムをお手伝いしています。
- プログラムの企画・設計:テーマの設定、日程の組み立て、フィールドワーク先の選定までを担当します
- 参加者の募集:全国の若者・学生コミュニティとのネットワークを使い、県内外から参加者を集めます
- 当日の運営と伴走:進行、チームへのメンタリング、成果のまとめまでを一貫して担当します
- 実施後の発信:プレスリリースや実施レポートの形にまとめ、次年度につなげます
これまで、兵庫県・山口県・神戸市・福井県・兵庫県三木市などの自治体様と連携し、脱炭素・環境リーダー育成プログラムなどを担当してまいりました。まだテーマが決まっていない段階でも問題ありません。自治体様・企業様の現状をうかがったうえで、これまでの経験から進め方をご提案させていただきます。
まとめ
この記事では、脱炭素の取り組み事例を4つの主体に分けてご紹介してきました。
- 脱炭素は国・自治体・企業・個人の4つの主体が分担して進めている
- 脱炭素先行地域には45道府県133市町村の102提案が選ばれ、募集は終了した
- 上士幌町は家畜のふん尿、横浜市は郊外の屋上、佐渡市は島の防災拠点、宇都宮市はLRTと、地域にあるものを出発点にしている
- 企業には自社の排出量の把握に加えて、自治体の計画に共同提案者として加わる道もある
自治体における脱炭素の取り組み事例としてご紹介した4つの地域に共通していたのは、外から資源を持ち込むのではなく、その地域にすでにあるものを電源や拠点に変えている点です。自分の自治体に何があるかを見直すところから、脱炭素の取り組みは始めることができます。
脱炭素の取り組みなら一般社団法人Re-Generationへ
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)では、自治体のご担当者様とテーマを相談しながら、若者・学生とともに、脱炭素やカーボンニュートラル、ゼロカーボンといった地域の環境問題・課題を考える場を各地でつくってきました。
こうした経験から、脱炭素プログラムや環境リーダー育成プログラムなど、テーマの設定から集客、当日の運営、実施後の発信までを一貫してサポートさせていただくことが可能です。
脱炭素の取り組みを前に進めたい自治体のご担当者様は、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)までお気軽にご相談ください。
CONTACT / DOWNLOAD
若者支援・地域共創のご相談はこちら
企業・自治体・教育機関との連携、企画運営、若者コミュニティ形成まで。
目的に合わせてご相談いただけます。

サービス資料をダウンロード
支援内容・事例・進め方を
まとめた資料をご覧いただけます。

ご相談・お問い合わせ
課題整理からご提案まで、
まずはお気軽にご相談ください。
出典:脱炭素先行地域 – 環境省/デコ活アクション一覧 – 環境省/サプライチェーン排出量全般 – グリーン・バリューチェーンプラットフォーム|環境省/地方公共団体等における脱炭素施策の実施等の状況 – 環境省
※脱炭素先行地域の選定状況は2026年2月13日時点、ゼロカーボンシティの表明状況と表明した自治体の施策の実施状況は2026年5月31日時点の数値です。


