学生と一緒に何かやってみたいが、どこにどんな学生団体があるのか分からない……
学生団体に声をかけたいものの、連絡先が見つからない……
最近、企業や自治体で若い世代との接点づくりを担当されている方から、こうしたお話をうかがう機会が増えています。
学生団体とは、学生が共通の目的や関心のもとに自主的に設立し、運営している組織や集まりのことを指します。サークルが学生同士の交流や趣味を主な目的とするのに対して、学生団体は社会貢献やビジネス、ボランティアなど、社会と関わる活動を目的としている点に違いがあります。
この記事では、学生団体の定義やサークル・部活動との違いといった基本から、活動の種類、企業や自治体が連携するメリットまで、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)の代表理事 右近宣人が解説します。あわせて、協賛やイベント共催といった連携の形、実際に話を進めるときの手順、つまずきやすいポイントも紹介しています。
学生団体との連携を検討している企業・自治体のご担当者は、ぜひ参考にしてください。
右近宣人1999年生まれ 神戸大学 法学部卒業
学生時代、NPO法人en-courege 9期 本部メンバーとして、事業/組織づくりに携わり、メンバー3700名・会員8万名規模に拡大
2023年6月 大企業で新規事業に関わる中、 Z世代・若者と企業・自治体が繋がるプラットフォームを創るため、 一般社団法人Re-Generationを設立。大企業に勤める傍ら、起業も同時に行う「第3の働き方」を行う。
全国のZ世代/α世代を対象としたプログラムを企画・運営を行っている。
学生団体とは

学生団体は、学校の授業やゼミとは別に行う課外活動です。「何を実現したいのか」という目的が先にあり、そこに賛同する学生が集まって形になります。
はじめに、学生団体の定義と、混同されやすいサークル・部活動との違いについて解説していきます。
学生団体の定義
学生団体とは、学生が共通の目的や関心のもとに自主的に設立・運営している組織や集まりのことを指します。活動は主に非営利で行われ、大学生だけでなく、高校生や高等専門学校生、専門学校生が中心となって活動している学生団体も存在します。
地域の課題を解決したい、国際協力に関わりたい、学生同士が出会う場をつくりたい。こうした目的のもとに人が集まり、組織としての形を整えていくのが学生団体の成り立ちです。規模はさまざまで、10名前後で活動する学生団体もあれば、100名を超えるメンバーを抱え、複数の大学にまたがって活動する学生団体もあります。
学生団体は、地域単位で見ても決して少なくありません。一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が事務局を務めた山口県の合同新歓イベント「ぶちフェス!」には、山口大学・山口県立大学などの学生を中心に23の学生団体が集まりました。1つの県のなかでも、実に多くの学生団体が活動しています。
山口県の学生団体が集まった「ぶちフェス!」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

学生団体とサークル・部活動の違い
学生団体とサークル・部活動の違いは、「何のために集まっているか」という目的にあります。
サークルは学生同士の交流や趣味を、部活動は競技や大会での成績を主な目的としています。これに対して学生団体は、社会貢献やビジネス、ボランティアなど、学外の社会と関わることを目的として活動しています。
学生団体・サークル・部活動の違いは、以下のように整理できます。
| 部活動 | サークル | 学生団体 | |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 競技や大会での成績 | 交流・趣味 | 目的の実現と社会への働きかけ |
| メンバーの所属 | 同じ大学 | 同じ大学 | 大学の枠を越えることが多い |
| 主な活動場所 | 学内 | 学内 | 学外・地域・全国 |
| 外部との関わり | 大学が管理 | 少ない | 企業・自治体と組むことがある |
| 大学との関係 | 公認が一般的 | 公認と非公認の両方 | 公認と非公認の両方 |
企業や自治体の担当者にとって重要なのは、「外部との関わり」の行です。学生団体は活動の目的そのものが学外に向いているため、企業や自治体からの相談を前向きに受け止めてもらいやすいという違いがあります。
大学公認と非公認の違い
学生団体には、大学の公認を受けているものと、公認を受けずに活動しているものがあります。どちらの学生団体であるかによって、企業や自治体側の探し方も変わってきます。
大学公認の学生団体は、大学の教室や備品を使える、部室が割り当てられる、活動費の助成を受けられるといった支援を受けられます。その一方で、活動内容や会計について大学へ報告する義務があり、大学名を出した活動には許可が必要になる場合もあります。
大学非公認の学生団体は、公認団体のような活動報告や会計報告の義務がなく、自由度が高いのが特徴です。ただし、大学によっては公認と非公認の間に「登録団体」という区分を設けており、届出をすれば教室の貸出などを受けられる場合もあります。活動費の助成や部室の割り当ては、多くの大学で公認団体に限られています。
複数の大学の学生が集まるインカレ団体は、性質上、特定の大学の公認を受けにくく、非公認で活動しているケースが多く見られます。
学生団体との連携を検討する企業・自治体側が押さえておきたいのは、探せる場所の違いです。公認団体は大学の公式サイトに一覧が掲載されていることが多い一方、非公認団体は大学のサイトに載らないことが多いため、SNSや学生団体の紹介サイトから探すことになります。
学生団体の6つの種類と活動内容

学生団体は、活動の目的によっていくつかの種類に分かれます。ここでは、企業や自治体が連携先を探すときの手がかりとなる学生団体の6つの種類について、活動内容と相性の良い連携先をあわせて解説していきます。
①地域活性化・まちづくり系
はじめに取り上げるのが、地域活性化・まちづくり系の学生団体です。商店街のイベント企画、地域資源のPR、空き家や公共施設の活用提案、移住促進に向けた情報発信などに取り組んでいます。
地域活性化・まちづくり系の学生団体は、地域の担い手を増やしたい自治体や、若い世代に施設や商品を知ってほしい地域企業と相性の良い分野です。学生が実際に地域へ足を運び、住民や事業者と話しながら企画を組み立てるため、外から調べるだけでは見えにくい課題が出てくる点も、この分野ならではの利点です。
たとえば佐賀県の「サガつく!」は、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が佐賀県庁・佐賀商工会議所青年部(佐賀YEG)と連携して開催したワークショップをきっかけに設立された若者まちづくり団体で、県内のレジャー施設の活用プラン立案などに取り組んでいます。
「サガつく!」について詳しくは、以下のページをご覧ください。

②ボランティア・社会貢献系
2つ目は、ボランティア・社会貢献系の学生団体です。子ども食堂の運営、災害支援、福祉施設での活動、地域の清掃活動などが代表的な活動にあたります。
CSR活動を一緒に進める相手を探している企業や、地域福祉を担当する自治体にとって、ボランティア・社会貢献系の学生団体は身近な連携先になるでしょう。活動を続けるための資金や人手を必要としている学生団体が多く、協賛や物品提供が直接的な支援になりやすいのもこの分野の特徴です。
③国際協力・SDGs系
3つ目に挙げるのが、国際協力・SDGs系の学生団体です。海外での教育支援、フェアトレード商品の企画・販売、国際会議の運営、環境問題に関する提言などを行っています。
国際協力・SDGs系の学生団体は、海外展開を進める企業や、サステナビリティに関する発信を強化したい企業・自治体と組みやすい分野です。語学力を持つ学生や留学経験のあるメンバーが集まっていることが多く、海外向けの発信や資料の翻訳を一緒に進められる場面もあるでしょう。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)も、1954年から続く国際学生会議(ISC)をグループに迎えています。

④ビジネス・起業系
4つ目は、ビジネス・起業系の学生団体です。ビジネスコンテストの運営、学生起業家のコミュニティ運営、企業と組んだ新規事業の検討などに取り組んでいます。
新規事業のアイデアを求めている企業や、アントレプレナーシップ教育を進めたい自治体・大学は、ビジネス・起業系の学生団体と相性が良いでしょう。事業計画や収支の考え方に慣れているメンバーが多いため、企業側の目的や制約を率直に伝えたうえで議論できる点も特徴です。
⑤イベント運営系
5つ目に挙げるのが、イベント運営系の学生団体です。大規模なカンファレンスの企画運営、学園祭の実行委員会、新入生に向けた合同新歓イベントなどを手がけています。
イベント運営系の学生団体は、若い層への認知を広げたい企業や、協賛先を探している企業に向いた分野です。来場者数や当日の様子という形で、協賛の結果を確認しやすい点も、イベント運営系の学生団体と連携するメリットと言えるでしょう。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)も、学生団体 協賛・共創プラットフォーム「コラジェネ!」を通じて、国際基督教大学(ICU)で開催される「TEDxICU」にシルバースポンサーとして、EKKYO.HUBが主催する「EKKYO.SUMMIT 2025」にゴールドスポンサーとして協賛しています。


⑥学術・研究系
最後にご紹介するのは、学術・研究系の学生団体です。専門分野の勉強会、研究成果の発表、ものづくり、地域の課題を題材にしたPBL(課題解決型学習)などが活動の中心になります。
技術者の採用を見据える企業や、産学連携を進めたい企業・大学にとっては、専門性を軸にした連携が期待できる分野です。研究室やゼミとつながっている学生団体も多く、大学の教員を交えた形に発展させやすい点も利点といえるでしょう。
企業・自治体が学生団体と連携する3つのメリット

学生団体との連携というと、採用に関するメリットを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ここでは、企業・自治体が学生団体と連携することによる、採用にとどまらない3つのメリットについて解説していきます。
①Z世代のリアルな声を商品開発や政策に反映できる
企業・自治体が学生団体と連携する1つ目のメリットが、若い世代の声を自社の商品開発や自治体の政策に反映できることです。
アンケートやグループインタビューでも、若い世代の意見は集められます。一方、学生団体との連携では、日ごろから同じテーマに取り組んでいる学生が、自分の言葉で課題と解決策を示してくれます。質問に答えてもらう関係ではなく、一緒に考える関係になる点が、アンケート・インタビューと学生団体連携との大きな違いです。
たとえば福井県が実施した「Fukui Future Summit(政策立案編)」では、県庁の職員が自身の担当する課題をそのまま学生に持ち込み、学生25名・社会人5名の計30名が課題の特定から政策の立案、発表までを行いました。この事例は、記事の後半でくわしく紹介しています。
②地域や社会課題への取り組みを共同で発信できる
取り組みを学生団体と共同で発信できる点も、企業・自治体が学生団体と連携するメリットとして挙げられます。
学生団体はSNSでの発信を活動の柱に据えているところが多く、同世代に届く言葉と、同世代が見ているチャネルを持っています。企業や自治体が単独で発信していたときには届きにくかった層にも、連携する学生団体の発信を通じて情報が広がっていくことが期待できます。
また、学生と一緒に取り組んだという事実そのものが、地域や社会課題に対する企業・自治体の姿勢を示す材料になります。プレスリリースや広報誌で扱いやすい題材が生まれる点も、実務上のメリットといえるでしょう。
③採用の母集団形成につながる
企業・自治体が学生団体と連携する3つ目のメリットが、採用の母集団形成につながる点です。学生団体で活動している学生は、自分で企画を立て、人に声をかけて動かした経験を持っています。
ただし、進め方には注意が必要です。採用だけを目的にした連絡は、学生団体側から断られやすいのが実情です。学生団体が求めているのは、活動を続けるための支援や、活動の幅を広げる機会だからです。
- まずは学生団体の目的に沿った関わり方を提案
- 一緒に活動するなかで自社を知ってもらう
この順番であれば、結果として採用の接点も生まれていきます。
Z世代の特徴や価値観、接し方について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

学生団体との連携でよくある5つの形

学生団体との連携は、採用だけに限りません。ここからは、学生団体と実際に連携している企業・自治体の情報をもとに、5つの連携の形を詳しく解説していきます。
①協賛(資金・物品・サービスの提供)
はじめに取り上げるのが、学生団体との協賛です。協賛とは、企業が学生団体の実施するプロジェクトの趣旨に賛同し、資金・物品・サービスなどのリソースを提供して支援することを指します。
- 連携の目的:イベントでの認知拡大、地域や社会課題に対する姿勢の発信
- 期間の目安:企画の相談から開催まで数か月
- 準備するもの:ロゴ掲出やブース出展など、協賛メニューの確認と社内での予算取り
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)も、学生団体 協賛・共創プラットフォーム「コラジェネ!」を通じて協賛を行っています。2025年には、国際基督教大学(ICU)で開催される「TEDxICU」にシルバースポンサーとして、EKKYO.HUBが主催する「EKKYO.SUMMIT 2025」にゴールドスポンサーとして参画しました。
②イベントの共催
学生団体と連携する2つ目の方法が、イベントの共催です。企画の段階から学生団体と一緒に組み立て、当日の運営も分担します。
- 連携の目的:若い世代との接点づくり、地域での認知拡大
- 期間の目安:企画の立ち上げから開催まで半年程度
- 準備するもの:会場や予算のほか、社内で意思決定できる担当者の確保
共催で気をつけたいのが、関わる学生団体が複数になったときの進め方です。学生団体ごとに意思決定の方法も、活動できる時期も異なります。企業・自治体の担当者がそれぞれと個別にやり取りしていると、日程や役割分担がなかなか固まりません。
そのため、複数の学生団体が関わるイベントでは、学生団体間の調整と全体の進行を引き受ける事務局を置くと、話が前に進みやすくなります。学生団体の代表が集まる実行委員会を立ち上げ、その事務局を企業・自治体側や外部の法人が担う形が一般的です。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)も、この事務局の役割を担うことがあります。2026年4月26日に山口県の湯田温泉こんこんパークで開催された合同新歓イベント「ぶちフェス!」では、実行委員会の事務局として企画の設計から広報、当日の運営までを担当しました。イベントでは山口県内で活動する学生団体・サークル23団体が参加し、新入生が複数の学生団体を見比べながら活動を選べる場となりました。
山口県の学生団体が集まった「ぶちフェス!」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

③共同プロジェクト・政策提言
3つ目に挙げるのが、学生団体との共同プロジェクトや政策提言です。こちらの連携方法では、学生団体と数か月にわたって同じテーマに取り組み、最終的に事業案や政策案という成果物にまとめていく流れとなります。
- 連携の目的:新規事業のアイデア創出、政策づくりへの若い世代の参画
- 期間の目安:3か月から半年
- 準備するもの:扱うテーマと、社内・庁内で解説できる担当者
兵庫県と一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が連携して実施した「HYOGO GREEN NEXT」では、座学とフィールドワークを組み合わせた全3回のプログラムを設計し、参加した学生が里山・里海の持続可能なあり方について事業案を検討しました。

④調査・モニターの依頼
学生団体と連携する4つ目の方法が、調査やモニターの依頼です。新商品の試用、サービスの使い勝手の確認、SNSでの情報の受け取り方のヒアリングなど、短期間で実施できるため、はじめて学生団体と連携する企業・自治体でも取り組みやすい方法であるといえます。
- 連携の目的:若い世代の消費行動や価値観の把握
- 期間の目安:数週間から1か月
- 準備するもの:聞きたいことの整理と、協力してもらう学生への謝礼
⑤インターンシップ・採用連携
最後に取り上げるのが、インターンシップや採用に関する学生団体との連携です。学生団体の活動を通じて自社を知ってもらい、インターンシップや説明会につなげていく進め方です。
- 連携の目的:採用の母集団形成、社員と学生の接点づくり
- 期間の目安:年間を通じた継続的な関わり
- 準備するもの:受け入れ体制と、学生の学業スケジュールに合わせた日程調整
先ほど触れたとおり、採用だけを目的にした提案は受け入れられにくい傾向があります。連携方法の①から④のいずれかで関係を築いたうえで進めると、話がまとまりやすくなるでしょう。
学生団体との連携を進める5つの手順

学生団体と連携したい気持ちはあっても、何から始めればよいか分からないという声をよくうかがいます。
ここでは、企業や自治体の担当者が、実際に学生団体との連携を進める際の手順を、5つのステップに分けて解説していきます。
①連携の目的を決める
はじめに決めておきたいのが、何のために学生団体と連携するのかという目的です。
連携の目的として挙がりやすいのは、次のようなものです。
- 採用に向けて、学生との接点を早い段階でつくりたい
- 商品やサービスの改善に、若い世代の意見を取り入れたい
- 地域での取り組みを、学生と一緒に発信したい
- 担当している政策や事業の課題を、若い世代の視点から洗い出したい
目的によって、声をかけるべき学生団体も、提案する連携の形も変わってきます。目的が決まったら、前の章で挙げた5つの形のうち、どれが合うかを選びましょう。
目的が曖昧なまま連絡を取ると、学生団体側も何を求められているのか分からず、返信が滞る原因になります。
あわせて決めておきたいのが、連携のために動き出す時期です。イベントの共催であれば企画の立ち上げから開催まで半年程度、協賛でも数か月はかかります。実施したい時期から逆算して、連携目的の検討を始めましょう。
②目的に合う学生団体を探す
連携する目的が決まったら、それに合う学生団体を探していきます。主な探し方は次のとおりです。
- 大学の公式サイト:公認団体の一覧が掲載されている場合があります
- SNS:InstagramやXで、地域名や活動テーマから検索します
- 学生団体の紹介サイト:学生団体の情報がまとめて掲載されています
- 地域別のまとめ記事:特定の地域で探すときに手がかりになります
- 学生団体を支援している法人:目的に合う学生団体を紹介してもらえます
大学非公認の学生団体や、複数の大学にまたがって活動しているインカレ団体は大学のサイトに載らないことが多いため、SNSや紹介サイトを併用して探すことになります。
③連絡を取る
この「連絡を取る」ステップが、企業・自治体が学生団体と連携する上で最初につまずきやすいポイントになります。学生団体への連絡手段は、InstagramなどのSNSのダイレクトメッセージが中心になっています。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が全国の学生団体を調べたところ、公式サイトを持ち、問い合わせフォームを設けている学生団体は限られていました。そのため、企業の担当者が公式のメールアドレスから連絡を取ろうとしても、そもそも送り先が見つからないという状況も想定されるため注意が必要です。
SNSのダイレクトメッセージで連絡する際は、所属と名前、連絡した理由、何を一緒にやりたいのかを、最初のメッセージに簡潔にまとめましょう。学生側は個人のアカウントで学生団体の窓口を兼ねていることも多く、長文や定型的な営業文は読まれにくいためです。
④条件をすり合わせる
学生団体と連絡が取れたら、実施に向けて条件を決めていきます。次の5点を早い段階で学生団体と共有しておくと、あとから認識のずれが起きにくくなります。
- 目的:企業・自治体側と学生団体側、それぞれが何を得たいのか
- 役割分担:企画、集客、当日の運営を、どちらがどこまで担当するのか
- 期間:準備にかけられる時間と、実施の時期
- 費用:協賛金や実費の負担、学生への謝礼の有無
- 成果物の扱い:写真や資料の公開範囲、SNSでの発信の可否
とくに費用と成果物の扱いは、後回しにすると当日近くで問題になりやすい項目です。学生団体は会計を担当する学生が別にいることも多いため、口頭のやり取りだけで進めない工夫が必要になるでしょう。
契約書を交わすほどではない規模であれば、上の5点を1枚にまとめた企画書やメールを双方で共有しておくだけでも十分です。文字にして残しておくと、担当の学生が交代したときの引き継ぎにも使えます。
⑤実施と振り返りを記録に残す
学生団体と連携してイベント等を実施したら、当日の内容と結果を記録に残します。参加人数、出たアイデア、参加者の感想、当日の写真をまとめておくと、社内・庁内での報告資料になるだけでなく、翌年度の企画の土台にもなります。
学生団体は、基本的に毎年メンバーが入れ替わります。記録が残っていれば、代替わりしたあとの学生にも前年の内容を引き継ぐことができます。
学生団体との連携でつまずきやすい3つのポイントと対策

学生団体との連携には、企業間の取引とは異なる進め方が必要になります。ここでは、企業・自治体が学生団体と連携するうえで実際に起こりやすい3つのつまずきと、その対策について解説していきます。
①窓口が年度ごとに代替わりする
まず知っておきたいのが、学生団体の窓口は年度ごとに替わるという点です。学生団体の代表や対外交渉担当は、多くの場合1年から2年で交代となります。
そのため、昨年度に一緒に取り組んだ担当者へ連絡しても、すでに引退していて返信が来ないという事態も珍しくありません。また、個人のアカウントでやり取りしていた場合、引き継ぎがされていない可能性もあります。
学生団体の代替わりに備えるうえで大切なのが、やり取りの記録を、担当した学生個人ではなく学生団体に残しておくことです。具体的には、次の4つを進めておくと効果的です。
- 連絡窓口を共用アカウントにする:学生個人のInstagramアカウントではなく、学生団体の公式アカウントや学生団体名義のメールアドレスを窓口にしてもらいます
- 資料を学生団体の共有フォルダに置く:企画書、当日の写真、連絡先の一覧をGoogle ドライブなどの共有フォルダにまとめ、代表が交代しても次の担当者が開ける状態にしてもらいます
- 実施後にA4で1枚の報告書を交わす:実施日、内容、参加人数、当日の写真、次回に向けた申し送りをまとめ、企業・自治体側と学生団体側の双方で保管します
- 新体制が決まったら改めて挨拶する:学生団体の代表が交代する4月から5月ごろに、前年度の報告書を添えて新しい担当者へ連絡します
上記のような備えができていると、翌年度は前年の報告書を見ながら「今年も同じ形でご一緒できませんか」と提案することができます。これにより、担当の学生が入れ替わっても、企画の趣旨や前年の反省点をゼロから説明し直す必要がなくなります。
②協賛が寄付で終わってしまう
協賛が一方的な資金提供にとどまってしまうのも、学生団体との連携でつまずきやすいポイントの1つです。
ただ単に資金を出しただけの関係では、学生側は「資金をもらった」という経験しか残らず、企業側も「ロゴが掲載された」だけで終わってしまいます。結果的に学生の学びにも、企業の成果にもつながりにくいのが、協賛が寄付で終わってしまう状況の特徴です。
協賛が寄付で終わってしまう状況を回避するためには、資金の提供とあわせて、以下のような企業側から関われる部分を用意しておくことが大切です。
- 社員が企画の相談に乗る
- 当日にブースを出して来場者と話す
- 実施後に一緒に振り返りを行う
こうした関わりを組み込むと、企業・自治体と学生団体の双方に残るものが増えていきます。
③学業のスケジュールと合わない
3つ目に挙げられるのが、自治体・企業と学生側のスケジュールをあわせるのが大変、という点です。学生団体のメンバーは学生であり、試験期間や長期休暇、就職活動の時期には活動量が大きく変わります。
企業・自治体側の年度計画で日程を組んでしまうと、準備が進まないまま当日を迎えることになりかねません。企画の相談を始める段階で、学生団体側の繁忙期と、活動できる時期を確認しておきましょう。
また、学生の予定は数か月先まで固まっていないことも多いため、早い段階で日程だけを押さえ、詳細は後から詰める進め方が現実的です。
地域別に学生団体を探す方法

自治体や地域に根ざした企業の場合、自分の地域で活動している学生団体を探したい場面が多いのではないでしょうか。ここでは、特定の地域を絞って学生団体を探す方法について解説していきます。
特定の地域で学生団体を探す際にまず確認したいのが、その地域の大学の公式サイトです。公認団体の一覧が掲載されていることがあり、学部や活動分野から絞り込める場合もあります。
あわせて活用したいのが、地域名と活動テーマを組み合わせたSNSでの検索です。「○○(地域名) 学生団体」「まちづくり 学生」といった言葉で検索すると、大学のサイトには載っていない非公認団体やインカレ団体も見つかります。
ただし、大学のサイトとSNSだけでは、その地域にどれだけの学生団体があるのかという全体像をつかむのは難しいと思います。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)では、都道府県ごとの学生団体を独自調査しています。大学別・活動分野別の分布と、企業や自治体と組みやすい学生団体をまとめた記事を順次公開していく予定です。
また、山口県が主催する「やまぐち未来環境アクション学生プログラム」では、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が事務局を務めています。山口県内の高校生・大学生等が脱炭素をテーマに学ぶ場づくりにも取り組んでいます。
山口県との取り組みについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

企業・自治体と学生・学生団体の連携事例3選

企業・自治体と学生・学生団体との連携は、実際の事例を知ることで、より自分事として具体化することができます。
ここからは、企業・自治体と学生・学生団体が連携した事例として、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が企画・運営を担当した3つのケースをご紹介していきます。
①福井県:現役の県職員が課題を持ち込んだ「Fukui Future Summit」
最初にご紹介する学生団体との連携事例が、福井県の「Fukui Future Summit」です。12年連続で幸福度日本一とされる福井県を起点に、若者・学生とともにウェルビーイングな地域づくりを考えるプログラムとして実施されました。
「Fukui Future Summit」は、大阪・東京で開催した「キャリアデザイン編」と、福井で開催した「政策立案編」の2編で構成されています。キャリアデザイン編には計42名(大阪18名・東京24名)、政策立案編には計30名(学生25名・社会人5名)が参加しました。
政策立案編で扱ったテーマは、いずれも福井県庁の「ディレクター制度」のもとで活動する5名の県庁職員が、現役で担当している課題です。参加者は5つのチームに分かれ、課題の特定から政策の立案、発表までを行いました。
福井県「Fukui Future Summit」の事例について詳しくは、以下の記事をご覧ください。


②兵庫県:座学と現場を組み合わせた「HYOGO GREEN NEXT」
続けてご紹介する学生団体との連携事例は、兵庫県の「HYOGO GREEN NEXT」です。豊かな自然と大都市、地場産業、芸術文化が共存する兵庫県から、新たな里山・里海のあり方を若い世代と共創する環境リーダー育成プログラムとして実施されました。
「HYOGO GREEN NEXT」の特徴は、座学とフィールドワークを組み合わせた全3回の構成です。参加者(大学生と若手社会人)は、実践者から知識を学んだうえで現地に足を運び、課題を自分の目で確かめながら持続可能な事業案を検討しました。
複数回にわたって同じメンバーが関わる設計にしたことで、提案の内容が回を追うごとに具体的になっています。
兵庫県「HYOGO GREEN NEXT」の事例について詳しくは、以下の記事をご覧ください。



③佐賀県:ワークショップから学生団体の設立につながった「サガつく!」
最後にご紹介する学生団体との連携事例が、佐賀県の「サガつく!」です。こちらは学生団体を探して声をかけるのではなく、イベントをきっかけに学生団体そのものが生まれた事例となります。
「サガつく!」は、2023年11月に一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が佐賀県庁・佐賀商工会議所青年部(佐賀YEG)と連携し、佐賀大学で開催したワークショップをきっかけに、設立された若者まちづくり団体です。
設立後は、佐賀市富士町のレジャースポット「Lakeside Hokuzan」でフィールドワークと企画立案を行うなど、県内の地域資源を活用する活動を継続しています。
「サガつく!」の活動事例について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

学生団体に関するよくある質問(Q&A)

ここからは、学生団体に関してよくいただく質問にお答えしていきます。
Q. 学生団体とサークルはどう違いますか?
A. 活動の目的が異なります。サークルは学生同士の交流や趣味を主な目的とするのに対し、学生団体は社会貢献やビジネス、ボランティアなど、社会と関わる活動を目的としています。
また、サークルが同じ大学の学生で構成されるのに対して、学生団体は大学の枠を越えて集まることが多い点も違いのひとつです。
Q. 学生団体に入ると就職活動で有利になりますか?
A. 所属していること自体が評価されるわけではありません。企業が知りたいのは、学生団体のなかで何を考え、何に取り組み、どのような結果につながったのかという中身です。
一方で、学生団体では企画の立案から人を集めること、企業や行政との交渉まで、自分で動かなければ前に進まない場面が多くあります。こうした経験を自分の言葉で語れる学生は、結果として選考の場でも評価されやすいと言えるでしょう。
Q. 学生団体への協賛にはどのくらいの費用がかかりますか?
A. 学生団体の規模や、協賛によって得られる内容によって幅があります。ロゴの掲載のみであれば少額から可能なケースもあれば、イベント全体の冠協賛のように大きな金額になるケースもあります。
多くの学生団体は、金額に応じた協賛メニューを用意しています。まずは学生団体に資料を依頼し、何を目的にどこまで求めるのかを整理してから検討するとよいでしょう。
Q. 高校生が中心の学生団体もありますか?
A. 高校生が中心となって活動している学生団体もあります。近年は、地域課題や環境問題をテーマに、高校生が自ら学生団体を立ち上げるケースが増えています。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が事務局を務める「やまぐち未来環境アクション学生プログラム」でも、山口県内の高校生・高等専門学校生・専門学校生・大学生・大学院生を対象としています。
Q. 学生団体はどうやって探せばいいですか?
A. 大学の公式サイト、SNS、学生団体の紹介サイトの3つが基本になります。大学の公式サイトには公認団体の一覧が掲載されていることが多く、SNSでは地域名や活動テーマから検索できます。
ただし、学生団体の数が多いため、目的に合う学生団体を自力で絞り込むには時間がかかります。学生団体を支援している法人に相談し、目的に合う学生団体を紹介してもらう方法も有効です。
協賛・連携できる学生団体をお探しの企業・自治体様は、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)までお気軽にご相談ください。
学生団体との連携なら一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)へ

この記事では、学生団体の定義やサークルとの違いから、企業・自治体が連携するメリット、実際の進め方、都道府県別の学生団体との連携事例などについて解説してきました。
公式サイトを持たない学生団体が多いだけでなく、窓口や担当者も年度ごとに替わるため、自力で目的に合う学生団体にたどり着くには時間がかかることが多いです。そのため、企業・自治体が学生団体と連携する際は、学生団体を探す段階と、最初に連絡を取る段階がつまずきやすいハードルといえます。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)は、全国の若者・学生コミュニティとのネットワークを活かし、企業・自治体と学生団体をつなぐ役割を担っています。目的に合う学生団体のご提案から、企画の設計、集客、当日の運営までを一貫してサポートさせていただきます。
その土台になっているのが、企業・自治体と学生団体が出会う場として運営している、学生団体 協賛・共創プラットフォーム「コラジェネ!」です。
学生団体と企業・自治体をつなぐ「コラジェネ!」

「コラジェネ!」では、学生団体と企業・自治体の双方に、以下のようなサービス・メリットを提供しています。
学生団体側には、学生団体同士のマッチング、次世代リーダー研修、イベント・企画への協賛、メンタリングを無料で提供しています。企業からのご依頼によって運営が成り立っているため学生団体は費用を負担せずに利用でき、結果として全国の学生団体が日常的に相談を寄せる場になっています。
企業・自治体の側から見ると、「コラジェネ!」に集まる全国の学生団体が、そのまま連携先の候補になります。協賛先を探したい、イベントを共催したい、企画に学生の視点を取り入れたいといった目的に合わせて、地域や活動分野から学生団体をご提案することができます。
この記事の後半で紹介した佐賀県の「サガつく!」も、「コラジェネ!」のメンターが学生団体の立ち上げから県庁・企業との連携までを支援した事例になります。
「コラジェネ!」について詳しくは、以下の特設ページをご覧ください。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)では、これまでに福井県、兵庫県、神戸市、三木市、佐賀県、山口県などの自治体と連携し、若者・学生が地域の課題に関わるプログラムを実施してきました。
学生団体との連携をご検討中の企業様・自治体のご担当者様は、ぜひ以下から資料をご覧いただくか、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)までお問い合わせください。
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