Z世代の流行・トレンドをどう捉える?具体例と企画に生かす観測のコツ

Z世代のトレンド。若者たちが情報を比べ、流行の兆しを整理するイラスト

Z世代のトレンドを企画に生かすには、「何が流行っているか」に加え、「誰が、どんな場面で楽しみ、何が続いているか」を追うことが大切です。話題の名称や再生回数だけでは、自社の顧客や地域の若者に届くかまでは判断できません。

2026年9月27日時点で確認できる一次資料から、2025年の平成リバイバルと、2026年のオフライン体験に関する動きを取り上げます。流行のランキングではなく、すでに観測された事実と今後の予測を読み分け、次の企画へつなげるための記事です。SNS検索や口コミに合わせた発信の工夫は、Z世代の情報収集を踏まえた情報設計で紹介しています。

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Z世代のトレンドは「発生・広がり・継続」で捉える

話題の量と行動の継続を分ける。発生:どこで見つかったか、広がり:誰がどう参加したか、継続:繰り返す行動があるか
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トレンドという言葉は、短期間に話題になったものにも、長く続く行動の変化にも使われます。本稿では実務上の整理として、発生、広がり、継続という3つの観点を使います。すべての流行が必ずこの順番で進むという法則ではありません。

観点確かめる事実企画上の問い
発生最初に確認した場所・時期・文脈どんな体験や困りごとに結びつくか
広がり参加する人、使い方、媒体の増加見るだけでなく、どう参加されているか
継続反復利用・再購入・再訪の有無話題が落ち着いても残る理由はあるか

たとえば、同じ音源の投稿が増えたことと、関連商品が継続して売れることは別の事実です。「人気の投稿がある」「対象者が知っている」「対象者が使い続けている」を一つの指標にまとめないようにします。

また、SNS上で観察できる利用者の年齢は、投稿だけでは分からない場合があります。プラットフォーム全体の話題を見つけたら、対象とする年齢層や地域でも関心があるかを、別の資料や対話で確かめます。自分が初めて見た日を、世の中で流行が始まった日として扱わないことも大切です。 年齢別の利用状況を踏まえるには、Z世代のSNS利用率・時間・目的の読み方も確認し、話題が見える媒体と企画の対象者が重なるかを検討します。

事例:平成リバイバルは、何が受け継がれたかを見る

同じ題材が別の楽しみ方へ広がる。題材:過去の音楽やカルチャー、参加の形:服・メイク・ダンスで表現、確認すること:誰にどんな意味があるか
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TikTokの2025年12月6日付公式発表によると、前日に開催された「TikTokトレンド大賞2025」では、「平成リバイバル / come again」がホットワード部門賞を受賞しました。m-floの楽曲を使うファッション、メイク、ダンスの動画が広がったことが紹介されています。

TikTokトレンド大賞2025授賞式に登壇した受賞者とプレゼンターの集合写真
2025年12月5日の授賞式の実写真。掲載元:TikTok公式ニュースルーム/写真・概要の掲載元

対象は2025年にTikTok上で話題になったコンテンツです。アプリ内のデータ等を基に部門別の表彰を行った出来事として、流行が音楽・装い・投稿へ広がる例を紹介しています。

この賞は、アプリ内データなどを基にTikTokが総合的に選んだものです。日本のZ世代を無作為抽出した人気調査ではなく、世代を超えた利用者の動きも含まれます。

企業がここから考えられるのは、同じ題材でも、参加する人が自分の表現を加えられるかという問いです。音楽だけ、衣服だけの流行として見ると、別の領域への広がりを見落とすかもしれません。懐かしさを感じる人と、新しいものとして出会う人が同じ題材に参加する可能性もあります。これは事例から立てる企画上の仮説であり、受賞発表が心理を検証した結果ではありません。 昔の雰囲気への関心と、実物を扱う体験を分ける視点は、Z世代のレトロ・アナログの企画で詳しく整理しています。

「次に来る」という予測は、別欄で管理する

SHIBUYA109 lab.の2026年9月9日付レポートは、同年下半期に注目するテーマの一つに「2016ファッション」を挙げています。同機関は毎月200人の15〜24歳女性を対象にトレンドや消費動向を調べていますが、この下半期の記述は注目・予測の位置づけです。

2025年の受賞という出来事と、2026年後半の見通しを並べても、同じ規模で流行が続いた証拠にはなりません。観測表では「確認済みの出来事」と「これから確かめる予測」を分け、服の種類、取り入れる場面、購入や着用の継続を改めて調べます。 言葉の流行を企画に用いる場合も、2025年の若者言葉と、使う相手・場面の確認を参考に、ランキングと実際の表現選びを分けます。

事例:オフライン体験は、予測と調査結果をつなげて読む

予測のあとに行動の根拠を確かめる。2025年末:翌年の体験消費を予測、2026年2月:対象を定めて実態を調査、企画の検討:参加理由と継続を確かめる
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流行の背景を知るには、ひとつのランキングだけでなく、同じ論点を追った資料を読む方法があります。SHIBUYA109 lab.が2025年12月9日に公表した「トレンド予測2026」では、少人数で楽しむオフライン体験が注目されました。調査は2025年10〜11月、同機関の独自ネットワークに所属する15〜24歳女性401人へのWebアンケートです。

続く2026年3月12日公表の調査は、予測で見られたスマートフォンから離れる行動を掘り下げています。2026年2月、一都三県の15〜24歳の男女学生574人を外部調査パネルで調べ、62.2%が「スマホ疲れ」を感じていると回答しました。別途、高校生・大学生8人へのインタビューも行っています。

ここで参考になるのは、予測で見つけた行動を、対象条件を定めた調査へつなげている点です。2つの調査は回答者の条件や母数が違うため、同じ人の変化を追った調査とは扱えません。また、62.2%は全国のZ世代全体の割合ではなく、体験イベントの参加意向や効果を示した数値でもありません。 疲れの背景や参加負担を検討するときは、Z世代のSNS疲れ・通知・プライバシーの論点も参照し、対象者の困り事を聞き分けます。

たとえば企業がものづくり体験を考えるなら、「スマートフォンから離れたい」という背景だけで採用を決めず、「何をつくりたいか」「誰と過ごしたいか」「終了後にも続けたいか」を聞くと、企画の中身を具体化できます。この聞き方は本稿の提案です。流行の名称より、その体験が選ばれる場面を明らかにすることを目指します。 集客から参加後の関係まで設計する手順は、Z世代向けイベント・コミュニティの企画で確認できます。

企業・自治体がトレンドを観測する四つの手順

条件をそろえて継続的に観測する。範囲を決める:対象・分野・期間、一次資料を集める:観測と予測を分ける、行動を確かめる:参加・反復・非参加、同じ条件で比べる:次の判断日を決める
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観測の目的を「若者の流行を全部把握する」から、「この企画の判断に必要な変化を知る」へ絞ります。以下は、商品企画や地域イベントの担当者向けの進め方の例です。

  1. 範囲を決める:対象者の年齢・地域、食・ファッション・体験などの分野、観測期間を設定します。自社で変更できる商品や案内と関係する範囲から始めます。
  2. 一次資料を集める:調査主体の発表、店舗・ブランドの公式案内、プラットフォームの発表を確認します。同じ発表を引用したニュース記事を、複数の独立した根拠として数えないようにします。
  3. 行動を確かめる:知っているだけか、試したか、続けているかを分けます。流行に参加していない対象者にも聞き、価格・距離・時間などの条件を確認します。
  4. 同じ条件で比べる:毎回同じ対象・期間・問いで記録し、次の判断日を置きます。観測範囲を変えた場合は変更点も残します。

検索の動きを補助的に見る場合は、Google トレンドの公式説明も確認してください。表示される0〜100の値は相対的な検索関心であり、検索人数や売上そのものではありません。地域や期間をそろえ、年齢が分からない検索データだけで「Z世代に広がった」と断定しないようにします。

記録項目は、「確認日/出典URL/対象条件/確認できた行動/担当者の仮説/次に聞くこと」で十分に始められます。記事の公開日と実際の調査日も分けて控えると、以前の結果を最新の動きとして誤読しにくくなります。 数値を併記する際の出典と比較条件は、Z世代の調査データ・統計の読み方に沿って確認します。

トレンドを採用する前に、続く理由を小さく確かめる

話題を企画の条件へ置き換える。対象との接点:実際に関心があるか、選ぶ理由:どんな場面で役立つか、続ける条件:価格・時間・再参加を確認
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トレンドを取り入れるかは、話題の大きさに加え、対象者との接点、提供できる体験、続けられる条件で判断します。期間限定の企画なら初回の参加理由を、継続サービスなら再利用の理由まで確かめると、判断に必要な情報が変わります。

観測したこと次に確かめること
投稿や記事で話題になっている自社の対象者も知り、関心を持っているか
一度試した人がいる何を期待し、どこが期待どおりだったか
繰り返し利用する人がいる続ける理由と、続けられない人の条件は何か

実施事例:学生の「好き」を持ち寄る、さがまる

学生主体のマルシェ「さがまる」は、2024年12月7日、佐賀駅前広場とさが維新テラスで開催しました。サガつく!と学生団体AleXが主催し、大学生を中心に14団体が出店・出演。日頃の活動を地域へひらくため、食、作品、体験、音楽を持ち寄り、学生が企画・運営・出店する側になりました。

本稿との接点は、話題の名称を一律に当てはめるのではなく、参加者自身の関心を表現できる企画にする点です。流行を計測した調査や、全国の若者の参加意向を示した事例としては扱いません。

さがまるで学生が食べ物や作品を販売する様子
さがまる当日の出店風景。写真出典:サガつく!公式note(実施レポート内に掲載元を記載)/写真・概要の掲載元

流行を企画へ応用するときも、「これが流行っているから好きでしょう」と答えを置かず、「最近、自分で選んで参加したことは何か」「その中で何が印象に残ったか」から聞く方法があります。そこで得た話をもとに小さな企画を試し、参加時の反応と、その後に続いた行動を分けて記録します。 話題の経験を誘導せずに聞く質問や記録方法は、若者インタビュー・定性調査の設計を参照してください。

話題の名称が変わっても、選ぶ理由が残ることはあります。定期的に観測しながら、採用・継続・見直しの判断を更新できる状態にしておきましょう。

参考資料・出典

確認日:2026年9月27日。調査・実施の時点は本文中に記載しています。

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