若者のSNS利用実態は?利用率・利用時間・情報収集をデータで解説

若者のSNS利用実態は?利用率・利用時間・情報収集をデータで解説

若者のSNS利用を理解するには、「使っている人の割合」「使う時間」「何のために使うか」を分けて見ることが必要です。 利用率の高いサービスでも、商品を探す場所、友人と連絡する場所、ニュースを確かめる場所が同じとは限りません。

この記事では、総務省の令和6年度調査に掲載された10代・20代のデータを中心に、若者のSNS利用実態を整理します。数字は調査時点の結果として示し、発信や若者との接点づくりに使う際の考え方まで解説します。

一般社団法人リジェネレーション代表理事 右近宣人

右近 宣人 / Ukon Norihito

一般社団法人Re-Generation 代表理事|次世代との対話・共創

1999年生まれ。神戸大学法学部卒業後、2022年に関西電力へ入社。新ビジネス創造コース1期生として新規事業開発に携わり、2023年6月に一般社団法人Re-Generationを設立。

企業・自治体と若者をつなぐ対話・共創プログラムを企画・運営。NECとの社会価値探究プログラムや、SMBCなどとのワークショップに携わる。神戸・三宮や兵庫県三木市でのまちづくり、福井県庁との政策立案ワークショップなどを通じ、若者参画と政策提案を支援。

学生との面談経験と、企業で次世代向けの事業を考えた経験を原点に、若者との対話を大切にしている。

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若者への情報発信を見直したい方へ

SNSの利用率を、企画の問いにつなげる

インタビューで、使う場面、知りたい内容、確認先を聞き取ります。対象者の募集と質問設計から、数字だけでは分からない選択の理由を整理する支援をご案内します。

  • 生活者との接点づくり
  • 情報との出会いを捉える
  • 対話から企画の問いへ

NEC・SMBCなどと連携し、若者の経験や関心を言葉にする対話・共創プログラムを実施しています。

コンテンツ

若者のSNS利用率を見る前に、調査対象をそろえる

利用率・時間・目的は別の指標。利用率:そのサービスを使う割合。利用時間:対象者全体の平均時間。利用目的:何のために使うか
総務省の令和6年度調査の10代は13〜19歳

参照するのは、総務省情報通信政策研究所の「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」です。全国の13〜79歳1,800人を対象に、2024年12月2〜8日の利用状況を調べています。利用サービスについてのアンケートと、平日2日・休日1日の行動を記録する日記式調査を併用しています。出典:総務省・調査概要

この調査の10代は13〜19歳であり、10〜12歳は含みません。また、サービスの利用率と、特定の日にその行動をした人の割合は別の指標です。

指標 読み取ること 直接は分からないこと
サービスの利用率 そのサービスを利用している割合 毎日の利用、広告への反応、購入
平均利用時間 調査対象者全体における1日当たりの時間 利用者だけの平均時間
行為者率 調査日に該当する行動をした人の割合 日常的な好みやサービスへの評価

企画書では「若者はSNSを何分使う」と短くする前に、年齢・平日か休日か・何を含む時間かを添えましょう。 世代の範囲やデータの限界を確認するには、Z世代の特徴を調査条件とともに捉える方法も参照してください。

10代・20代のSNS利用率を比較する

10代と20代でも利用率は異なる。Instagram:10代 75.0%|20代 78.0%。X:10代 62.1%|20代 78.0%。TikTok:10代 65.7%|20代 58.7%
総務省・令和6年度調査/10代 n=140、20代 n=218

同調査の主なソーシャルメディア系サービス・アプリ等の利用率から、五つのサービスを抜粋すると次の通りです。10代の回答者は140人、20代は218人です。

サービス 10代(13〜19歳) 20代
LINE 93.6% 97.7%
Instagram 75.0% 78.0%
X(旧Twitter) 62.1% 78.0%
TikTok 65.7% 58.7%
YouTube 95.7% 97.2%

出典:総務省・令和6年度調査、主なサービス等の利用率(資料12頁)。YouTubeなどの動画共有系を含む分類です。複数のサービスを利用できるため、割合の合計は100%になりません。

例えば、この結果ではTikTokは10代、Xは20代の利用率がそれぞれ高くなっています。「若者」を一括りにすると、この違いを見落とします。一方、利用率が高いことだけでは、自社の情報が届くか、読まれるか、問い合わせにつながるかは判断できません。

比較の次に必要なのは、対象者がそのサービスを使う場面を把握することです。連絡、暇な時間の視聴、情報検索では、同じサービスでも受け取られやすい情報が変わります。

SNSの利用時間は、動画やインターネット全体と区別する

ソーシャルメディアを見る・書く時間。10代:平日 67.0分、休日 80.2分。20代:平日 67.0分、休日 88.6分
総務省・令和6年度調査/利用しなかった人も含む平均

同調査で「ソーシャルメディアを見る・書く」の平均利用時間は、10代・20代ともに平日67.0分、休日は10代80.2分、20代88.6分でした。これは利用しなかった人も含めた平均です。出典:総務省・インターネット利用項目別の平均利用時間(資料7頁)

年代 平日 休日
10代(13〜19歳) 67.0分 80.2分
20代 67.0分 88.6分

この項目には、別項目として集計される「動画投稿・共有サービスを見る」などの時間を一括で足していません。記事や提案書で数字を引用する際も、元の行動分類を保つことが必要です。

長く使うことと、情報が伝わることは別

SNSに長く接していても、その時間すべてが企業や地域の情報を見る時間ではありません。利用時間を広告に接する時間や購入意向に読み替えず、「どの場面なら情報を確かめられるか」という問いにつなげます。 また、長時間利用だけで依存状態とは判断できません。利用量と困りごとの違いは、スマホ依存・SNS疲れの考え方で整理しています。

例えばイベントの案内では、投稿を見た瞬間に申し込むとは限りません。あとで日程を確認できるページや、参加条件を読み返せる案内があるかも、接点づくりの重要な要素になります。

若者への情報発信を見直したい方へ

発信案を見せて、分からない点を確かめる

投稿や案内を対象者に見てもらい、何に関心を持ち、どこで判断が止まるかを聞きます。若者との対話を、媒体と掲載内容を検討する材料にします。

  • 生活者との接点づくり
  • 情報との出会いを捉える
  • 対話から企画の問いへ

NEC・SMBCなどと連携し、若者の経験や関心を言葉にする対話・共創プログラムを実施しています。

若者の情報収集は「知る・確かめる・決める」に分けて考える

情報収集の場面と、必要な情報。知る:自分との関係。確かめる:主催者・実例・条件。決める:詳細・相談・申し込み
すべての若者に共通する経路ではなく、企画の整理例

ここからは利用率の調査結果を踏まえた、発信を考えるための整理です。以下の流れがすべての若者に当てはまるという意味ではありません。

場面 読み手の問い 用意したい情報
知る 自分に関係があるか 取り組みのテーマ、場面、参加する人
確かめる 信頼できるか、条件に合うか 主催者、実例、対象、費用、日程
決める 次に何をすればよいか 詳細ページ、問い合わせ先、申し込み方法

SNSで興味を持った人が、公式サイトや周囲の人を通じて確認することも想定し、情報をつなげます。「若者には短い動画」という形式の話だけで終わらせず、判断に必要な情報がどこで見つかるかを確認しましょう。 検索・口コミ・公式情報をどうつなぐかは、Z世代の情報収集に合わせた導線設計で具体化できます。

企業の取り組み① NEC:若者が関心を持つ背景を聞く

NECとのプログラムで社員のレクチャーを受ける参加者
NECと考える2030年の自分と未来社会

Re-GenerationはNECと連携し、2024年9〜10月に関西・九州・東北で、2030年の自分と未来社会を考えるプログラムを実施しました。3地域を通じ、参加者とメンターを含めて約80人が参加しています。

ワークショップでは、各自が過去の経験や現在の関心を言葉にしてから、チーム内で共有・質疑応答を行いました。その後、政治・行政、カルチャー、技術、暮らし・働き方の四つの切り口で課題を整理し、望む社会像を発表しています。

企画に活かせる視点:情報発信の企画でも、利用するSNS名に加えて、どんな経験からテーマに関心を持ったのかを聞くと、届けたい内容を考える手がかりになります。

詳しい実施レポートを見る

企業の取り組み② SMBC:専門的な情報を日常の場面につなぐ

SMBC・HashPortなどと連携したワークショップで議論する参加者
SMBC・HashPort・U-FINOとの未来創造ワークショップ/写真:U-FINO

Re-GenerationはSMBC、HashPort、U-FINOと連携し、2024年1月28日にWeb3.0・NFTと2040年の暮らしを考えるワークショップを実施しました。参加者とメンターを含めて約35人が参加し、5チームで議論しました。

企業から前提知識を学んだ後、現在の一日の流れを書き出し、未来の技術がどの場面に関わるかを検討。講師との対話を挟みながら、引っ越しや就職活動などを題材にした未来の生活像を発表しました。

企画に活かせる視点:若者に情報を届ける際も、相手が知っている言葉や生活場面から説明することが役立ちます。両事例は若者理解と対話の実績であり、SNSの閲覧数や広告成果を検証した事例ではありません。 自社企画への応用としては、説明前後で「初めて知った言葉」「後で調べたいこと」を聞き、説明が不足した箇所を洗い出します。これは本稿からの提案で、実施先の調査結果ではありません。

詳しい実施レポートを見る

発信の方針を決める前に、対象者の実際の情報接触を聞き、「どこで知ったか」「何を確かめたか」「何が分からず止まったか」を整理すると、媒体と内容を結び付けて検討できます。 テレビ・音声・出版も含めて考える場合は、Z世代のメディア接触を利用場面から捉える記事へ進んでください。

データを発信計画に使うときの確認ポイント

利用データから発信計画へ。対象・役割:誰に、何を伝えるか。経験・試行:実際の情報接触を確かめる。記録:閲覧・遷移・相談を分ける
利用率だけで決めず、生活の場面を捉える

若者向けの情報発信では、次の順に考えると利用率だけで媒体を決めずに済みます。

  1. 対象を絞る。 13〜19歳と20代、学生と就業者など、誰のどの場面かを決めます。
  2. 役割を決める。 認知、詳しい説明、相談のうち、各媒体で何を担うかを整理します。
  3. 本人の経験を聞く。 最近知った情報を例に、利用した媒体と確認の順序を聞きます。
  4. 小さく試す。 内容や案内先を変えたとき、詳細閲覧や問い合わせの手前で何が変わったかを確かめます。
  5. 数字を分けて記録する。 表示、閲覧、リンク遷移、申し込みや事業相談を同じ成果として数えないようにします。

利用率の表は、発信先を考えるための出発点です。実際の若者の情報収集を理解するには、数字に加えて生活の場面を捉える必要があります。公開調査の比較方法は調査データの読み方、企業の取り組みを若者との対話から考える方法は対話・共創ワークショップの記事で紹介しています。

若者への情報発信を見直したい方へ

媒体選びの前提を、若者の経験から整理する

対象となる若者の具体的な情報収集を聞き、生活場面、知りたい情報、次の行動を整理。インタビューや共創ワークショップの支援範囲と進め方をご確認いただけます。

  • 生活者との接点づくり
  • 情報との出会いを捉える
  • 対話から企画の問いへ

NEC・SMBCなどと連携し、若者の経験や関心を言葉にする対話・共創プログラムを実施しています。

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