海洋問題について知ったあと、自分たちにどのような行動ができるのか。「ZERO HIGH PROJECT」は、若者が学び、現場に触れ、社会に向けて提案する機会をつくったプロジェクトです。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)は、一般社団法人大阪青年会議所が主催する本プロジェクトに、アドバイザーとして参画しました。プログラム全体の構成、ワークショップの設計、参加者へのレクチャーなどを通じて、若者の学びと実践を支援しました。
本記事では、2024年度の活動を中心に、ワークショップやフィールドワーク、未来環境サミットでの発表、そして2025年の大阪・関西万博への展開を紹介します。

| プロジェクト名 | ZERO HIGH PROJECT(ゼロハイプロジェクト) |
|---|---|
| 主催 | 一般社団法人大阪青年会議所 |
| 活動期間・参加者 | 2024年度、約半年の活動に大学生30名が参加 |
| 主な取り組み | ワークショップ/長崎県対馬でのフィールドワーク/実店舗と連携した実証実験/未来環境サミット |
| Re-Generationの役割 | アドバイザーとして、プログラム構成・ワークショップ設計・レクチャー等に協力 |
| その後の展開 | 2025年4月18日、大阪・関西万博で「ZERO HIGH PROJECT RE:」の活動発表会 |
活動期間・参加規模・2024年度の実施内容は大阪青年会議所「2024年度アニュアルレポート」、万博での発表はブルーオーシャン・ドーム公式開催報告に基づいています。
海洋問題と都市部の若者をつなぐ、学びと実践
プロジェクトのねらい
関心を持つ
海洋問題と出会う
自分で考える
課題を調べ、意見を交わす
社会と関わる
現場・事業者・発表の場へ
海洋ごみやプラスチック問題は、都市で暮らす若者にとって、現地の状況やそこで活動する人の姿に触れる機会が少ないテーマでもあります。ZERO HIGH PROJECTは、その距離を縮め、海洋問題に関心を持つきっかけと実践の機会をつくる取り組みとして実施されました。
プログラムでは、知識を得る機会に、対話や現場での体験を組み合わせています。Re-Generationが大切にしているのも、参加者が自分の生活や価値観と結びつけながら問いを持ち、具体的な行動や企画を考えられる場をつくることです。
環境教育の目的や学び方の全体像については、環境教育とは?のコラムでも解説しています。ここでは、本プロジェクトで実際に行われた活動を見ていきます。
調べる・話し合う・現場に触れる。2024年度の活動
学びを具体的な課題へつなげる
ワークショップ
調査と議論を重ねる
対馬での体験
海岸やごみ処理の現場を知る
実社会との接点
店舗と連携して試す
ワークショップで調査と議論を重ねる
定期的なワークショップでは、講師も交えながら調査と議論を重ねました。既存の活動写真には、参加者が付箋に書き出した考えをテーブルに並べ、互いの意見を聞きながら話し合う様子が残っています。

考えを紙に書き出すと、個人の気づきをグループで見ながら話し合えます。似ている意見や異なる視点を確かめ、考えを組み立てる手がかりになります。こうした対話の場を、若者自身が課題に向き合うための土台として捉えています。
長崎県対馬で海洋ごみの現場に触れる
対馬でのフィールドワークでは、海岸でのごみ拾いに加え、対馬市役所の方とともにごみ処理場を見学するなどの活動を行いました。現地の民宿にも宿泊し、都市での日常とは異なる環境の中で海洋問題に触れました。
海岸にあるごみを見ることと、集められたごみがその後どう扱われるかを知ることは、課題を捉える異なる入口です。現地で得た情報をもとに考える機会を設ける点に、フィールドワークを組み合わせる意義があります。
実店舗と連携し、考えたことを実社会で試す
本プロジェクトには、実店舗と連携した実証実験も組み込まれました。大阪青年会議所「2024年度アニュアルレポート」に掲載された代表・右近のコメントでも、事業者と接点を持つ大阪青年会議所ならではの実践機会として触れられています。
若者の提案を現場で試す際には、誰に参加してもらうか、店舗の運営とどう両立させるかなど、具体的な条件を考える必要があります。アイデアと社会との間に接点をつくることは、企画の実現可能性を考えるうえでも大切です。
未来環境サミットで、考えてきたプランを発表
活動の過程を、人に伝わる提案へ
会場
海遊館
発表
半年間検討したプラン
接点
環境問題に取り組む団体など
2024年度の活動の集大成として、海遊館で「未来環境サミット」が開催されました。環境問題に取り組む団体などを迎え、学生たちが考えてきたプランを発表しました。

掲載写真では、学生がスライドと制作物を用いて説明する様子が確認できます。ペットボトルのラベルやキャップに着目した発表もあり、身近な物を切り口にして取り組みを伝えていました。

発表の場を設けることには、活動の背景、着目した課題、提案の内容を、グループ外の人にも伝わる形に整理する意味があります。学びの過程を言葉や図にして伝えることも、実践の一部です。

アドバイザーとしてのRe-Generationの支援
Re-Generationが協力した3つの領域
プログラム構成
活動全体の組み立て
ワーク設計
考え、対話する場づくり
レクチャー
理解と検討を支える
Re-Generationは、これまで取り組んできた探究学習・課題解決型学習(PBL)・次世代人材育成の知見をもとに、プログラム設計やワークショップ設計、参加者へのレクチャー等に協力しました。主催は大阪青年会議所であり、Re-Generationはアドバイザーとして学習プログラムに関わりました。
| 全体プログラムの構成 | 各活動の位置づけを検討するプログラムづくりに協力 |
|---|---|
| ワークショップの設計 | 参加者が自分の考えを持ち、意見を交わせるワークの設計に協力 |
| 参加者へのレクチャー | 課題について学び、検討を進めるためのレクチャーを実施 |
私たちが重視するのは、参加者の発想と、地域・企業・団体が持つ知見や実行の場をつなぐことです。若者を学びの受け手として捉えるだけでなく、自分の問いを持ち、周囲と関わりながら考える担い手として支えることを大切にしています。
ワークショップの対象や目的、体験と振り返りの組み合わせについては、環境教育イベント・ワークショップの企画ガイドで整理しています。
大阪・関西万博での発表と、次の実践へ
2024年度の活動から、2025年の発信へ
2024年度
学習・現場体験・成果発表
2025年4月18日
万博会場で活動を報告
大学生5チーム
取り組みと成果を発表
2025年4月18日、大阪・関西万博のブルーオーシャン・ドームでは、大阪青年会議所とZERI JAPANの共催による「ZERO HIGH PROJECT RE:」の活動発表会が開催されました。大学生5チームが登壇し、活動内容や成果を報告しています。ブルーオーシャン・ドームの公式開催報告でも、その様子が紹介されています。
2024年度の学びと実践が、翌年には万博という場で発信されました。課題を知り、考え、行動し、その過程を人に伝える。この一連の活動を通じて、若者が社会と関わる複数の機会がつくられたことが、本プロジェクトの特徴です。
環境の学びや若者との共創を、ほかの実践からも考える
Re-Generationでは、海洋問題に限らず、環境やまちの未来を若者と考える場づくりに取り組んでいます。テーマや関わる人、実践の形を比較することで、次のプログラムを考える手がかりになります。
- 神戸・三宮のまちづくりワークショップ:若者・行政・研究者が、地域の未来と脱炭素をテーマに対話。
- うめきたZ世代未来社会デザイン:若者がまちに集まり、新しい挑戦を始めるための条件を議論。
- サガつく!「さがまる」開催レポート:学生が出店・出演や運営を担い、駅前で活動を発信。
対象や学び方の異なる実践を比較したい方は、環境教育・環境学習の取り組み事例10選もご覧ください。
開催記録・関連資料
本記事は、Re-Generationの参画記録・既存掲載写真、主催者の2024年度活動報告、万博会場の公式開催報告をもとに構成しています。2024年度の活動と2025年の発表を区別して紹介しています。
自治体・企業・学校のご担当者へ
自分たちの地域や参加者に合う形で、環境教育を実施したいご担当者へ。高校生・大学生を中心とした探究学習や環境リーダー育成について、リジェネレーションの支援内容と実施事例をご紹介します。対象者や目的を整理しながら、プログラムの具体像をご覧ください。
環境リーダー育成
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