こども計画づくりで、こども・若者の意見を聴くよう求められているが、進め方がわからない……
アンケートは取ったものの、それで若者の意見を聴いたことになるのか自信がない……
こども施策や若者政策を担当する自治体のご担当者様の中には、上記のようなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2023年4月に施行されたこども基本法は、第11条で国と地方公共団体(地方自治体)に、こども施策へこども・若者の意見を反映させるための措置を求めています。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)は、自治体と連携して若者・学生向けのプログラムを運営してきた経験から、若者の意見を聴く場は「若者が地域の担い手として関わり始める最初の機会」になると考えています。
そこで今回、こども家庭庁の調査に回答した全国1,761自治体のデータを独自に集計し、自治体がこども・若者の意見をどのように聴いているのか、何に困っているのかを調査しました。
この記事では、独自調査の結果をふまえ、次の4点をご紹介します。
- こども・若者の意見聴取の基本(こども基本法第11条、子どもの意見表明権、ガイドライン)
- 全国1,761自治体の独自集計の結果
- 47都道府県の一覧と4つの事例
- 聴いて終わりにしない進め方と、来年度の若者政策の動き
こども・若者の意見聴取に取り組む自治体のご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
右近宣人1999年生まれ 神戸大学 法学部卒業
学生時代、NPO法人en-courege 9期 本部メンバーとして、事業/組織づくりに携わり、メンバー3700名・会員8万名規模に拡大
2023年6月 大企業で新規事業に関わる中、 Z世代・若者と企業・自治体が繋がるプラットフォームを創るため、 一般社団法人Re-Generationを設立。大企業に勤める傍ら、起業も同時に行う「第3の働き方」を行う。
全国のZ世代/α世代を対象としたプログラムを企画・運営を行っている。
こども・若者の意見聴取とは?

はじめに、こども・若者の意見聴取の意味と、自治体に求められている理由をおさえておきます。
こども基本法第11条は自治体にこども・若者の意見を反映させる措置を求めている
こども・若者の意見聴取とは、国や自治体がこども施策を決めたり見直したりするときに、その施策の対象となるこども・若者から直接意見を聴き、施策に反映させる取組です。
自治体にこども・若者の意見聴取を求めているのは、「こども基本法」の第11条です。第11条は、国と地方公共団体(地方自治体)がこども施策を策定・実施・評価する際に、「必要な措置を講ずるものとする」と定めています。
ここで言う必要な措置とは、そのこども施策の対象となるこどもや子育て当事者などの意見を、こども施策に反映させるための措置のことです。自治体にとって、こども・若者の意見をこども施策に反映させる措置は、法律で求められた取組なのです。
なお、自治体のこども計画の策定は、こども基本法第10条で「定めるよう努めるものとする」とされており、努力義務にとどまります。自治体は、こども計画を策定するかどうかにかかわらず、こども施策を進める際にこども・若者の意見を反映させる措置を求められる点に注意が必要です。
子どもの意見表明権とこども基本法の関係
こども基本法は、基本理念を定めた第3条の第3号で、全てのこどもについて「自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会」と「多様な社会的活動に参画する機会」が確保されることを掲げています。
この考え方のもとになっているのが、児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)の第12条です。第12条は、自分の意見を形成する能力のある子どもが、自分に影響を及ぼすすべての事項について自由に意見を表明する権利を定めており、一般に「子どもの意見表明権」と呼ばれています。
こども基本法の「こども」には大学生世代などの若者も含まれる
こども基本法第2条は、「こども」を「心身の発達の過程にある者」と定義しており、年齢で区切っていません。こども家庭庁も「こども・若者」という言葉を使い、若者を含めて意見を聴いています。
たとえば、こども家庭庁の「こども若者★いけんぷらす」は、小学1年生から20代までが登録し、国の政策について意見を伝えられる取組です。自治体のこども・若者の意見聴取でも、小中学生だけでなく、高校生年代や大学生世代の若者が、意見を聴く相手に入ります。
若者の年齢の定義について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

こども家庭庁の「こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン」
こども家庭庁は、府省庁や自治体の職員に向けて「こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン」を2024年3月に公表し、2026年5月29日に第2版へ改定しました。ガイドラインには、こども・若者の意見を聴いて政策に反映するときの留意点や工夫、事例がまとめられています。
ガイドラインは、意見反映の流れを「企画する」「事前に準備する」「意見を聴く」「意見を反映する」「フィードバックする」の5つのステップで示しています。意見を聴くことだけでなく、反映した結果や、反映しなかった理由をこども・若者に伝えるところまでが、ガイドラインの示す意見反映の取組です。
こども・若者の意見聴取の4つの方法
こども家庭庁の取組状況調査では、こども・若者の意見聴取の方法を次の4つに分けています。
| 方法 | 例 |
|---|---|
| 不定期(単発)の会話型 | 対面での意見聴取、施設などでの意見聴取 |
| 不定期(単発)の文字型 | こども・若者向けのパブリックコメント、インターネットアンケート、チャット |
| 定期的(複数回)の会話型 | 審議会・懇談会のこども・若者委員の発言、こども会議 |
| 定期的(複数回)の文字型 | 意見箱 |
会話型は、自治体がこども・若者と直接対面して意見を聴く方法です。文字型は、自治体がインターネットアンケートやチャットなどで意見を聴く方法を指します。
こども・若者の意見聴取の調査の概要
ここからは、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が集計したデータと、集計の前提をお伝えします。
調査の対象と方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査の目的 | 全国の自治体がこども・若者の意見をどのように聴いているか、意見聴取を進めるうえで何に困っているかを確かめる |
| 元にしたデータ | こども家庭庁「こども・若者の意見反映に関する取組状況に関する調査(地方公共団体向け)」の自治体ごとの集計結果(Excel) 出典:こども・若者の意見反映に関する取組状況に関する調査|こども家庭庁 |
| 調査の対象 | 全都道府県・全市区町村(47都道府県、1,747市区町村) |
| 回答した自治体 | 47都道府県(回答率100%)と1,714市区町村(回答率98%)の計1,761自治体 |
| 対象の期間 | 令和6年(2024年)1月1日~12月31日の取組 |
| 集計の方法 | 自治体ごとの回答を、都道府県別・人口規模別・対象年齢別に独自に集計 |
| 集計の時点 | 2026年10月(2026年2月18日にこども家庭庁が掲載したデータを使用) |
| 集計した主体 | 一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション) |
集計の前提
こども家庭庁の取組状況調査のデータを集計するにあたっての前提は、次のとおりです。
- こども家庭庁の集計結果(概要)に載っているのは、全国の合計の数字です。都道府県別・人口規模別・対象年齢別の数字は、こども家庭庁が掲載している自治体ごとの集計結果(Excel)から、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が集計しました。
- 意見を聴いた相手の年齢と取組の内容は、各自治体が回答した「代表的な取組1つ」についての回答です。自治体が行ったすべての取組の対象年齢を表すものではありません。
- こども家庭庁は調査票で、代表的な取組として、学校や教育委員会の事例と、こども計画の策定以外の取組を優先して回答するよう依頼していました。そのため、学校を通じて小中学生や高校生から意見を聴いた取組が、回答に多く含まれている可能性があります。
- 「実施していない」と回答した自治体は、令和6年の1年間に、こども・若者から直接意見を聴く取組をしなかった自治体です。令和6年以外の年に取り組んでいる場合があります。
こども・若者の意見聴取を実施した自治体は65.8%
まず、こども・若者の意見聴取を実施した自治体の数と、意見聴取の方法について見ていきましょう。
全国1,761自治体のうち1,158自治体が実施
令和6年に、こども・若者から直接意見を聴く取組を実施した自治体は、回答した全国1,761自治体のうち1,158(65.8%)でした。都道府県は47すべてが実施しており、市区町村では1,714のうち1,111(64.8%)が実施しています。
裏を返すと、回答した市区町村のおよそ3つに1つにあたる603市区町村は、令和6年にこども・若者から直接意見を聴く取組をしていませんでした。
人口5万人未満の市区町村は56.1%、10万人以上は9割を超える

人口規模別に見ると、こども・若者の意見聴取の実施率には大きな差があります。人口5万人未満の市区町村は1,207のうち677(56.1%)にとどまる一方で、人口10万人以上の区分は、いずれも9割を超えていました。
人口5万人未満の市区町村は、回答した市区町村の約7割を占めています。人口の少ない市区町村ほど、こども・若者の意見聴取が進んでいない状況です。
会話型で聴いた自治体は61.9%、アンケートなど文字型だけの自治体は34.6%
こども・若者の意見聴取を実施した1,158自治体のうち、対面などの会話型で意見を聴いた自治体は717(61.9%)でした。一方で、401自治体(34.6%)は、インターネットアンケートやパブリックコメントなどの文字型だけで意見を聴いています。
文字型は、多くのこども・若者から意見を集めやすい反面、回答の背景にある考えまでは聴き取りにくい方法です。自治体が会話型の場を設ければ、「なぜそう思うのか」という理由まで、こども・若者に直接たずねることが可能になります。
代表的な取組で大学生世代以上の若者から意見を聴いた市区町村は30.6%
次に、こども・若者の意見聴取で、どの年齢のこども・若者から意見を聴いたのかを見ていきます。
意見を聴いた相手の年齢

こども・若者の意見聴取を実施した1,158自治体の代表的な取組を見ると、意見を聴いた相手の年齢は中学生が922自治体(79.6%)で最も多く、小学生877自治体(75.7%)、高校生年代714自治体(61.7%)が続きます。大学生世代(19~22歳)以上の若者から意見を聴いた自治体は556(48.0%)で、4つの年齢区分の中で最も少なくなりました。
市区町村に絞ると、代表的な取組で大学生世代以上の若者から意見を聴いた市区町村は525でした。回答した1,714市区町村の30.6%、こども・若者の意見聴取を実施した1,111市区町村の47.3%にあたります。代表的な取組で見ると、大学生世代の若者から意見を聴いた市区町村は、回答した市区町村の3割ほどです。
ただし、こども家庭庁は調査票で、代表的な取組として学校や教育委員会の取組を優先して回答するよう依頼していました。そのため、大学生世代の若者から意見を聴いた取組が、回答に表れていない自治体もあると考えられます。
そのうえで、自治体は小学生や中学生からは学校を通じて意見を聴きやすい一方で、大学生世代の若者とは日常的に接する機会が多くありません。こうした接点の少なさも、大学生世代から意見を聴いた自治体が少ない理由の一つと考えられます。
こども・若者と定期的に対話する場がある市区町村は16.4%
審議会・懇談会のこども・若者委員や、こども会議・若者会議のように、こども・若者から定期的に会話で意見を聴く取組をした市区町村は281で、回答した市区町村の16.4%でした。この281市区町村には、小学生や中学生だけを対象にしたこども会議なども含まれます。
意見交換が1回きりの場合、自治体が、聴いた意見がこども施策にどう反映されたかを同じこども・若者に伝える機会をつくるのは簡単ではありません。定期的な場があれば、自治体は前回の意見の扱いを、次の回で参加者に伝えられます。
若者会議・若者議会の仕組みと事例について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

声をあげにくいこども・若者から意見を聴いた市区町村は27.7%
不登校や障害のあるこども、社会的養護のもとで暮らすこどもなどは、自分から声をあげにくいこども・若者です。代表的な取組で、こうしたこども・若者からも意見を聴いたと回答した自治体は、こども・若者の意見聴取を実施した1,158自治体のうち308(27.7%)でした。
こども・若者の意見聴取の課題|ファシリテーターの確保を挙げた自治体は59.9%
続いて、こども・若者の意見聴取を進めるうえで、自治体が何に困っているのかをお伝えします。
課題の上位は「職員の知識・経験」「参加者の確保」「職員の人数」「ファシリテーターの確保」

こども家庭庁は、こども・若者の意見聴取を進めるうえでの課題を、回答したすべての自治体に複数回答で聞いています。最も多かったのは「担当部局の職員の知識・経験」で、1,310自治体(74.4%)が挙げました。続いて「意見聴取をする参加者の確保」1,168(66.3%)、「担当部局の職員の人数」1,105(62.7%)、「意見聴取をする人(ファシリテーター)の確保」1,055(59.9%)です。「意見聴取について協力(委託)できる事業者」を挙げた自治体も616(35.0%)ありました。
「ファシリテーターの確保」と「協力(委託)できる事業者」のどちらかを挙げた自治体は1,176で、全体の66.8%にのぼります。意見を聴く場を進行する人や、意見聴取を任せられる相手が見つからないことが、多くの自治体の悩みになっています。
最も大きな課題は「職員の知識・経験」と「参加者の確保」
最も大きな課題を1つだけ選ぶ設問では、「担当部局の職員の知識・経験」を選んだ自治体が360で最も多くなりました。続いて「意見聴取をする参加者の確保」が327、「担当部局の職員の人数」が321、「反映できる対象・事業・制度」が299です。
令和6年に実施した市区町村と実施しなかった市区町村の課題の違い
回答した市区町村を、令和6年にこども・若者の意見聴取を実施しなかった市区町村と実施した市区町村に分け、それぞれ課題を挙げた割合を比べました。
| 課題 | 実施しなかった市区町村(603) | 実施した市区町村(1,111) |
|---|---|---|
| 担当部局の職員の知識・経験 | 470(77.9%) | 804(72.4%) |
| 担当部局の職員の人数 | 395(65.5%) | 680(61.2%) |
| 担当部局以外の理解 | 256(42.5%) | 651(58.6%) |
| 意見聴取をする参加者の確保 | 357(59.2%) | 777(69.9%) |
| 意見聴取をする人(ファシリテーター)の確保 | 331(54.9%) | 691(62.2%) |
| 反映できる対象・事業・制度 | 299(49.6%) | 664(59.8%) |
| 意見聴取について協力(委託)できる事業者 | 226(37.5%) | 369(33.2%) |
実施しなかった市区町村では、「担当部局の職員の知識・経験」と「担当部局の職員の人数」を挙げた割合が、実施した市区町村より高くなっています。一方で、実施した市区町村では、「担当部局以外の理解」「参加者の確保」「ファシリテーターの確保」「反映できる対象・事業・制度」を挙げた割合が高くなりました。差が最も大きいのは「担当部局以外の理解」で、実施した市区町村のほうが16.1ポイント高くなっています。
この比較は令和6年の1年間に実施したかどうかで分けたもので、取組を始める前と始めたあとの変化を追ったものではありません。ただ、実際にこども・若者の意見聴取に取り組んだ市区町村ほど、参加者を集めること、場を進行すること、聴いた意見を反映する先を見つけること、担当部局以外の理解を得ることを課題に感じている傾向がうかがえます。
47都道府県のこども・若者の意見聴取の実施状況
ここでは、市区町村のこども・若者の意見聴取の実施状況を、都道府県ごとに整理しました。
市区町村の実施率が高い都道府県・低い都道府県
市区町村の実施率を都道府県ごとに見ると、最も高いのは宮崎県で、26市町村すべて(100%)がこども・若者の意見聴取を実施していました。続いて北海道(91.6%)、埼玉県(87.3%)、東京都(87.3%)、神奈川県(84.8%)の順です。
一方で、市区町村の実施率が低いのは群馬県(20.0%)、青森県(25.7%)、岩手県(37.5%)、高知県(38.2%)でした。人口5万人未満の市区町村は実施率が56.1%と低いため、都道府県ごとの実施率には、管内の市区町村の人口規模も影響していると考えられます。
下の表は、ご担当の自治体がある都道府県の状況を、全国の市区町村の実施率(64.8%)と比べる際の参考にしてください。
47都道府県の一覧
| 都道府県 | 回答した市区町村 | 実施した市区町村(実施率) | 大学生世代以上から聴いた | 定期的に対話する場がある |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 179 | 164(91.6%) | 49 | 35 |
| 青森県 | 35 | 9(25.7%) | 2 | 3 |
| 岩手県 | 32 | 12(37.5%) | 4 | 4 |
| 宮城県 | 35 | 21(60.0%) | 11 | 6 |
| 秋田県 | 25 | 13(52.0%) | 5 | 2 |
| 山形県 | 35 | 19(54.3%) | 7 | 5 |
| 福島県 | 59 | 25(42.4%) | 14 | 3 |
| 茨城県 | 44 | 24(54.5%) | 13 | 2 |
| 栃木県 | 25 | 20(80.0%) | 10 | 2 |
| 群馬県 | 35 | 7(20.0%) | 4 | 3 |
| 埼玉県 | 63 | 55(87.3%) | 32 | 11 |
| 千葉県 | 54 | 29(53.7%) | 16 | 11 |
| 東京都 | 55 | 48(87.3%) | 19 | 19 |
| 神奈川県 | 33 | 28(84.8%) | 16 | 9 |
| 新潟県 | 30 | 22(73.3%) | 13 | 3 |
| 富山県 | 15 | 11(73.3%) | 4 | 1 |
| 石川県 | 19 | 12(63.2%) | 8 | 6 |
| 福井県 | 17 | 12(70.6%) | 9 | 4 |
| 山梨県 | 27 | 14(51.9%) | 11 | 3 |
| 長野県 | 77 | 43(55.8%) | 22 | 10 |
| 岐阜県 | 42 | 26(61.9%) | 14 | 4 |
| 静岡県 | 35 | 28(80.0%) | 16 | 8 |
| 愛知県 | 54 | 38(70.4%) | 16 | 13 |
| 三重県 | 29 | 15(51.7%) | 6 | 5 |
| 滋賀県 | 19 | 13(68.4%) | 8 | 4 |
| 京都府 | 26 | 16(61.5%) | 4 | 3 |
| 大阪府 | 43 | 27(62.8%) | 12 | 9 |
| 兵庫県 | 41 | 29(70.7%) | 14 | 9 |
| 奈良県 | 33 | 19(57.6%) | 6 | 3 |
| 和歌山県 | 27 | 11(40.7%) | 3 | 3 |
| 鳥取県 | 19 | 12(63.2%) | 5 | 6 |
| 島根県 | 19 | 10(52.6%) | 7 | 1 |
| 岡山県 | 27 | 20(74.1%) | 10 | 5 |
| 広島県 | 23 | 17(73.9%) | 9 | 5 |
| 山口県 | 19 | 9(47.4%) | 5 | 3 |
| 徳島県 | 24 | 13(54.2%) | 9 | 1 |
| 香川県 | 12 | 7(58.3%) | 5 | 3 |
| 愛媛県 | 20 | 11(55.0%) | 7 | 3 |
| 高知県 | 34 | 13(38.2%) | 4 | 4 |
| 福岡県 | 60 | 47(78.3%) | 32 | 15 |
| 佐賀県 | 20 | 16(80.0%) | 9 | 4 |
| 長崎県 | 21 | 15(71.4%) | 5 | 1 |
| 熊本県 | 45 | 37(82.2%) | 19 | 7 |
| 大分県 | 18 | 9(50.0%) | 1 | 2 |
| 宮崎県 | 26 | 26(100.0%) | 16 | 4 |
| 鹿児島県 | 43 | 22(51.2%) | 7 | 9 |
| 沖縄県 | 41 | 17(41.5%) | 7 | 5 |
| 合計 | 1,714 | 1,111(64.8%) | 525 | 281 |
- 表の数字は、こども家庭庁の取組状況調査に回答した、各都道府県内の市区町村の数字です。都道府県は47すべてが、令和6年にこども・若者の意見聴取を実施していました。
- 「大学生世代以上から聴いた」は、代表的な取組1つで大学生世代(19~22歳)以上の若者から意見を聴いた市区町村の数です。
- 「定期的に対話する場がある」は、審議会のこども・若者委員やこども会議など、こども・若者から定期的に会話で意見を聴く取組をした市区町村の数です。対象年齢は問いません。
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)は、脱炭素先行地域の計画提案書や、47都道府県の環境人材育成事業も調査しています。それぞれの調査の結果について詳しくは、以下の記事をご覧ください。


こども・若者の意見聴取の事例4選

ここからは、大学生世代を含むこども・若者から、対話の場で意見を聴いている自治体の事例を4つご紹介します。4つの事例の内容は、各自治体の公式ページと、こども家庭庁の取組状況調査への各自治体の回答にもとづいています。
①東京都中野区|若者会議で区長に政策を提言し、区の対応状況を公表
中野区は、区内に住む・働く・学ぶ大学生から社会人年代(おおむね18~39歳)を対象に「若者会議」を開いています。2026年中野若者会議のテーマ型コースでは、参加者がテーマごとにチームをつくってまちを歩き、区役所の職員へのヒアリングを経て、12月13日に予定されている報告会で区長に提言します。
こども家庭庁の取組状況調査への中野区の回答によると、2024年度は約30名が全6回のワークショップに参加し、報告会で区長に政策を提言しました。中野区は提言への対応方針とその理由、四半期ごとの対応状況をまとめて公表するとしており、区のホームページには年ごとの「政策提言内容と区の対応状況」が掲載されています。
中野区の取組の特徴は、若者の提言を聴いて終わりにせず、区の対応を若者と区民に見える形で伝えている点です。
出典:若者会議 | 中野区
②北海道恵庭市|大学生とのワークショップと審議会への若者の起用
恵庭市は、市のこども計画となる「第3期えにわっこ☆すこやかプラン」を策定する際に、2024年10月23日、北海道文教大学人間科学部こども発達学科の3年生8名とワークショップを開きました。参加した大学生は2つのグループに分かれ、「こどもの頃(小中高)の居場所について振り返ろう!」と「恵庭市にほしいもの」の2つのテーマで意見を出し合っています。
このプランを審議した恵庭市社会福祉審議会の児童福祉専門部会には、「こども・若者」の区分の委員として、同大学の学生が加わりました。こども家庭庁の取組状況調査への恵庭市の回答によると、恵庭市は意見を反映させたプランの案をワークショップに参加した大学生に配り、反映の結果を説明しています。
恵庭市の取組は、人口5万~10万人の市でも、地元の大学と連携すれば大学生世代の若者から意見を聴く場をつくれることを示しています。
③静岡県菊川市|高校生・大学生が参加するこども・若者参画協議会
菊川市は、2023年11月に「菊川市こども・わかもの参画宣言」を行い、2024年度からこども・若者参画協議会を設けています。2024年度のこども・若者参画協議会は、高校生5人・大学生1人を含む市民、市民活動団体、高校教員、企業、行政の委員で構成されました。
こども・若者参画協議会は、こども・若者のまちづくりへの参加・参画や、意見聴取・意見反映について協議会としての意見をまとめ、菊川市が策定する「菊川市こども計画」に提案しました。こども家庭庁の取組状況調査への菊川市の回答によると、菊川市は提案をもとにこども計画を修正し、反映できなかった部分についてはその理由をこども・若者参画協議会に説明しています。
菊川市の取組の特徴は、若者を「意見を聴かれる側」としてだけでなく、意見聴取の仕組みを一緒に考える委員として迎えている点です。菊川市は人口5万人未満の市ですが、こうした形で若者参画を進めています。
④三重県|17グループの「こども会議」と反映状況のフィードバック
三重県は、三重県子ども条例の改正と三重県こども計画(仮称)の策定にあたり、2024年度に県内各地で、小学生から大学生までの17グループによる「こども会議」を開きました。第1回(6~9月)と第2回(11~12月)で、「子どもにとって大切なこと」「大人に期待すること」などのテーマで話し合っています。
こども会議で出た意見は、三重県子ども条例の改正と三重県こども計画(仮称)の策定に反映され、三重県は反映状況を公表しています。こども家庭庁の取組状況調査への三重県の回答によると、三重県は第1回のこども会議で出た意見がどう反映されたかを、第2回のこども会議で参加者に確認してもらったとのことです。
三重県のように、同じグループに2回集まってもらい、1回目の意見の扱いを2回目で伝える流れは、フィードバックの形として参考になります。
出典:三重県|子ども・思春期:「三重県子ども条例」の改正等に向けた取組(令和6年度)
こども・若者の意見聴取の進め方|聴いて終わりにしないために

ここからは、集計の結果と4つの事例をふまえ、こども・若者の意見聴取を進めるうえで押さえておきたい点を、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)の考えとしてまとめていきます。
こども家庭庁のガイドラインが示す5つのステップのうち、多くの自治体が課題に挙げた部分を中心にお伝えします。
①意見を聴く前に反映先を決める
こども・若者の意見聴取を実施した市区町村の59.8%が、「反映できる対象・事業・制度」を課題に挙げていました。自治体が意見を聴いたあとで反映先を探すと、聴いた意見がどの施策にも反映されずに終わるおそれがあります。
こども・若者の意見聴取を企画する段階で、聴いた意見をこども計画のどの施策に反映させるのか、あるいはどの事業の見直しに生かすのかを、担当課の中で決めておくことをおすすめします。反映先を決めておけば、担当課がこども・若者にたずねるテーマを具体的に絞り込める点も利点です。
②会話型の場を設けてファシリテーターを置く
会話型の意見聴取では、こども・若者が安心して話せる雰囲気をつくり、出てきた意見を整理する進行役が欠かせません。その進行役であるファシリテーターの確保は、全体の59.9%の自治体が課題に挙げていました。
庁内に進行役を担える職員がいない場合は、こども家庭庁の「こども意見ファシリテーター養成講座」を職員が受講する方法や、こども・若者の意見聴取の企画と進行を外部に委託する方法があります。
参加者が「話して終わり」にならない、まちづくりワークショップの進め方について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

③大学生世代の若者に届く募集の経路をつくる
代表的な取組で大学生世代以上の若者から意見を聴いた市区町村は、30.6%でした。自治体は、小中学生には学校を通じて声をかけられる一方で、大学生世代の若者に声を届ける経路は限られているのが実情です。
自治体が地元の大学やゼミ、学生団体と連携して参加者を募れば、大学生世代の若者に声が届きやすくなります。恵庭市のように地元の大学と連携する形や、中野区のように区内に住む・働く・学ぶ若者を広く募る形が参考になります。
若者が参加するまちづくりの募集の仕方と、参加したあとの関わり方について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

④聴いた意見がどうなったかをこども・若者に伝える
こども家庭庁の取組状況調査の概要では、聴いた意見のフィードバックについて、成果物を公表するだけの事例や、フィードバックをしていない自治体が一定数あったとされています。
反映した点と反映できなかった点、その理由まで自治体が伝えれば、意見を伝えたこども・若者は、次の機会にも意見を出しやすくなります。三重県のように2回目の場で伝える方法や、中野区のように対応状況を公表する方法が参考になるでしょう。
子どもが参加するまちづくりで、意見を聴き、反映し、結果を返すワークショップの設計について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

来年度の若者政策の動き|若者政策地域実装推進事業(予定)
最後に、若者の意見聴取や若者参画に関わる、来年度の国の動きをご紹介します。
自治体と地域の民間団体が組む「地域官民連携型」
こども家庭庁は、令和9年度(2027年度)予算の概算要求で、新規事業「若者政策地域実装推進事業(仮称)」に11億円を要求しています。要求の段階では、若者政策地域実装推進事業は15~29歳の若者を主な対象に、地域で若者政策の推進体制をつくり、取組を実装することを目的とするとされています。
このうち「地域官民連携型」は、自治体と地域の民間支援団体などが連携し、若者が主体的に参画する体制をつくる取組が対象です。要求の段階では、補助率は国が10分の10、補助の上限は1自治体あたり5,000万円とされています。取組の例の一つは「若者参画」です。
ただし、若者政策地域実装推進事業は概算要求の段階のため、事業の内容や金額は、2026年12月の政府予算案の決定に向けて変わる可能性があります。若者の意見聴取や若者参画の体制づくりを考えている自治体は、今後のこども家庭庁の公表を確認しておくとよいでしょう。
こども・若者の意見聴取でお困りの自治体の皆さまへ
こども・若者の意見を聴く場をつくりたいが、進行役を担える職員がいない……
大学生世代の若者に、どう声をかければよいかわからない……
上記のようなお悩みを抱えている自治体のご担当者様も、少なくないと思います。
一般社団法人Re-Generationができること
今回の集計で多くの自治体が挙げた課題に、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)は次の形でお応えします。
| 自治体の課題(全1,761自治体) | 一般社団法人Re-Generationができること |
|---|---|
| 担当部局の職員の知識・経験(74.4%) | 意見聴取の目的・反映先・進め方を、担当課と一緒に設計します |
| 意見聴取をする参加者の確保(66.3%) | 全国の若者・学生とのネットワークを生かし、大学や学生団体を通じて大学生世代の参加者を募ります |
| ファシリテーターの確保(59.9%) | ワークショップの進行と、チームへのメンタリングを担当します |
| 反映できる対象・事業・制度(56.3%) | 聴いた意見を、反映先に合わせて提言の形にまとめます |
| 協力(委託)できる事業者(35.0%) | 企画から当日の運営、報告までを一括でお受けします |
一般社団法人Re-Generationと自治体との連携実績
一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)は、法人の設立前の活動も含め、これまでに次のような自治体との取組を担当してまいりました。
福井県
福井県(県人事委員会)が主催する政策立案ワークショップ「ふくい未来創造サミット」の運営を担当しました。2026年9月の第1回の参加者は、県内の大学生を中心とする21名です。参加者は県職員から観光政策を学び、考えた政策のアイデアを県の管理職に説明しています。
2025年度の「Fukui Future Summit」には、大阪・東京・福井の3会場で学生など72名が参加しました。法人の設立前の2023年2月には、福井県の実施協力のもと、若者約30名が福井の未来を考える「Fukui Z世代わかものサミット」を開いています。
ふくい未来創造サミットと、Fukui Z世代わかものサミットについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。


山口県
山口県が主催する「やまぐち未来環境アクション学生プログラム」(2026年度)の事務局を務めています。このプログラムは、県内の高校生・大学生などが、持続可能な山口の実現につながるアイデアやアクションを考える内容です。
やまぐち未来環境アクション学生プログラムについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

兵庫県
兵庫県では、「ひょうごZ世代 里山・里海環境リーダー育成プログラム」など、約5か月にわたる若者の育成プログラムの運営を担当しました。
「ひょうごZ世代 里山・里海環境リーダー育成プログラム」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

神戸市
法人の設立(2023年6月)前の2023年2月に、大学生が神戸・三宮の将来について神戸市・IGESと意見を交わすワークショップを開催しました。神戸大学・IGES(公益財団法人地球環境戦略研究機関)との共催で、神戸市都心三宮再整備課が実施に協力しています。
神戸・三宮のまちづくりワークショップについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

まとめ
この記事では、こども・若者の意見聴取の基本と、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)が全国1,761自治体のデータを集計した結果をご紹介しました。今回の集計結果からわかったことをまとめると、以下のとおりです。
- こども基本法第11条で、自治体はこども施策にこども・若者の意見を反映させる措置を求められている。こども基本法の「こども」には、大学生世代などの若者も含まれる。
- 令和6年にこども・若者の意見聴取を実施した自治体は1,158(65.8%)。人口5万人未満の市区町村の実施率は56.1%にとどまる。
- 代表的な取組で大学生世代以上の若者から意見を聴いた市区町村は30.6%。こども・若者と定期的に対話する場がある市区町村は16.4%。
- 課題の上位は「職員の知識・経験」74.4%、「参加者の確保」66.3%、「ファシリテーターの確保」59.9%。令和6年に実施した市区町村は、「担当部局以外の理解」「参加者の確保」「ファシリテーターの確保」などを挙げた割合が、実施しなかった市区町村より高い。
- こども・若者の意見聴取を企画する際は、反映先を先に決め、会話型の場を設け、大学生世代に届く募集をし、結果を伝えるところまで設計する。
若者の社会参加の具体例と、参加を難しくしている課題について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

こども・若者の意見聴取なら一般社団法人Re-Generationへ

一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)は、若者・学生と自治体・企業をつなぐ共創型のプログラムを全国で展開しています。
こども・若者の意見聴取については、テーマや反映先が決まっていない段階からのご相談でも構いません。自治体様のこども施策と現状をうかがったうえで、これまでの実施経験から進め方をご提案いたします。
大学生世代の若者の声をこども施策や若者政策に取り入れたいとお考えの自治体のご担当者様は、一般社団法人Re-Generation(リジェネレーション)までお気軽にご相談ください。
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出典:こども・若者の意見反映に関する取組状況に関する調査|こども家庭庁
出典:こども基本法 | e-Gov 法令検索
出典:児童の権利に関する条約 全文|こども家庭庁
出典:こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン|こども家庭庁
出典:こども若者★いけんぷらす|こども家庭庁
出典:こども意見ファシリテーター養成講座|こども家庭庁
出典:資料2 令和9年度予算概算要求の概要(主な新規・拡充事業)(PDF)|こども家庭庁


