若者の離職率としてよく紹介されるのは、新規学卒就職者が就職後3年以内に最初の勤務先を離れた割合です。若者全員が1年間に仕事を辞める割合とは異なります。
2026年9月27日時点で確認できる厚生労働省の直近の公表では、2022年3月卒業者の3年以内離職率は、高校卒37.9%、大学卒33.8%でした。この記事では、数字の対象、推移、離職理由を分けて読み、企業・自治体が若者と仕事について話す際の視点を整理します。
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若者の離職率の最新公表値は?新卒3年以内の数字を確認

厚生労働省が2025年10月24日に公表した新規学卒就職者の離職状況では、2022年3月卒業者の就職後3年以内離職率は次のとおりです。
| 学歴 | 3年以内離職率 | 前の卒業年との差 |
|---|---|---|
| 高校卒 | 37.9% | 0.5ポイント低下 |
| 大学卒 | 33.8% | 1.1ポイント低下 |
この統計は、雇用保険の届出情報から学歴別の新規学卒就職者を推定して集計しています。2022年3月卒の大学卒の場合、同年3〜6月に新規学卒として加入した人のうち、2025年3月末までに届け出た事業所を離職した人を数えます。
離職後に別の会社へ就職した人も、理由にかかわらず含まれます。したがって、33.8%を「失業している割合」「働く意欲を失った割合」と言い換えることはできません。集計方法は公表資料の「資料出所及び離職率の集計の考え方」に記載されています。
若者の離職率は増えている?推移と事業所規模の違い

直近の3年では、上昇の後に低下している
同じ「大学卒・就職後3年以内」という条件で見ると、2020年3月卒は32.3%、2021年3月卒は34.9%、2022年3月卒は33.8%でした。「若者の離職率は毎年上がり続けている」という説明にはなりません。
| 卒業年 | 大学卒の就職後3年以内離職率 |
|---|---|
| 2020年3月卒 | 32.3% |
| 2021年3月卒 | 34.9% |
| 2022年3月卒 | 33.8% |
出典:厚生労働省・学歴別の離職率の推移。卒業年と統計の公表年は異なります。また、まだ3年が経過していない卒業者の1年目・2年目の数字と、3年間の累計を比較しないようにします。
規模や産業の違いを「若者の性格」に置き換えない
2022年3月卒の大学卒では、事業所規模5人未満の3年以内離職率は57.5%、1,000人以上は27.0%でした。産業別にも差があるため、全国平均だけで自社の状態を評価するには限界があります。
この差だけで、規模そのものが離職の原因だとは言えません。仕事内容や産業構成、労働条件などの違いもあります。比較するときは、学歴、卒業年、観察期間、事業所規模、産業を可能な範囲でそろえます。調査条件の確認方法は、データを比較する6つの確認点を参照してください。
若者の離職理由は?離職率とは別の調査から確認する

離職率の統計だけでは、一人ひとりが辞めた理由は分かりません。理由を知るには、意識を尋ねた調査を別に読む必要があります。
厚生労働省の令和5年「若年者雇用実態調査」では、在学していない若年労働者のうち、初めて勤めた会社を離れた人に理由を尋ねています。3つまでの複数回答で、労働時間・休日・休暇の条件が28.5%、人間関係が26.4%と上位でした。結果公表資料で確認できます。
この調査は、対象事業所で働く15〜34歳を対象にしたものです。前章の「2022年3月卒業者」と同じ集団を追跡した理由調査ではありません。二つの調査を組み合わせて、3年以内離職者の何割が特定の理由で辞めたと計算することもできません。
理由を確認するときは、勤務条件、仕事内容、人間関係、健康・家庭などの生活条件を切り分けます。本人が話せる範囲で、入社前に想像していたことと実際の経験を確かめることが出発点です。希望する働き方については、若者の仕事観の記事で詳しく扱います。
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企業・自治体ができること:入社前の仕事理解と期待のすり合わせ

離職の理由は複数あり、一つの施策で解決できるものではありません。ここでは、リジェネレーションが支援する「若者が仕事や組織を具体的に理解する接点」に絞って実例を紹介します。
福井県の政策立案編:仕事内容に触れて考える
「Fukui Future Summit 政策立案編」では、若者が県職員の講義を受け、課題分析から政策案の発表までを体験しました。リジェネレーションは設計・集客・運営を支援し、県庁の仕事のテーマに触れる場をつくっています。
組織の名称やイメージだけでは分かりにくい仕事内容を、実際の問いを通じて知る実践です。離職率への効果を測定した事例ではありませんが、仕事を選ぶ前に確認したいことを具体化する接点として参考になります。政策立案編のレポートをご覧ください。

福井県のキャリアデザイン編:本人が大切にしたい条件を言葉にする
別編として大阪・東京で開催したキャリアデザインのプログラムでは、計42人が過去の経験や将来像を考えました。働くこと、私生活、住む場所を併せて検討した点が特徴です。リジェネレーションは企画から運営まで支援しています。
仕事内容を知ることと、本人が大切にする条件を言葉にすることを組み合わせると、相互に確かめたい点が見えてきます。キャリアデザイン編のレポートで進行を紹介しています。

企業が魅力をどう伝えるかは、若者に選ばれる企業と採用広報の記事、入社後の受け入れは新入社員育成・オンボーディングの記事で確認できます。統計の読み解きと、各段階での取り組みを分けて考えましょう。
若者の離職率・早期離職についてよくある質問

「若者の3人に1人が辞める」は正確ですか?
新規大学卒就職者の3年以内離職率を大まかに表現する場合はありますが、対象と期間を添える必要があります。若者全体、すべての雇用形態、1年間の離職を指す表現としては不正確です。
離職率が高い会社は、必ず問題があるのでしょうか?
数字だけでは判断できません。産業や働き方、雇用の構成、集計方法を確認し、実際の離職理由や職場の状況と併せて考えます。高低だけで、個人の退職判断や会社の良し悪しを一律に評価することは避けましょう。
リジェネレーションには何を相談できますか?
若者が仕事・組織への理解を深める対話や体験、採用接点の企画について相談できます。本人の希望と企業・自治体が伝える仕事内容をすり合わせる場づくりを支援します。入社後の定着率の改善を保証するサービスではなく、支援範囲と評価方法を相談のうえで決めます。
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