サステナビリティとは「持続可能性」のことです。環境、社会、経済のつながりを踏まえ、今の暮らしや事業を支えながら、将来の世代も暮らしを成り立たせられる状態を目指す考え方として使われます。環境に良い活動だけを指す言葉ではありません。働く人の権利、地域での暮らし、事業を続ける仕組みも関係します。
「SDGsと同じ意味?」「ESGやCSRとは何が違う?」「自社や自治体の仕事にどう関係する?」。この記事では、言葉の役割を比較し、3つの側面を具体例で整理します。企業・自治体で初めてこのテーマに関わる方が、方針や実施事例を読み解くための基礎をまとめました。

サステナビリティ推進・CSRのご担当者へ
サステナビリティを、
対話と学びのテーマに。
企業・自治体と若者の接点づくりから、社会課題を考えるワークショップや環境学習の企画・運営まで。Re-Generationは、目的に合わせた対話と共創の機会づくりを支援します。
- 若者との接点づくり
- 目的に合う対話設計
- 企画から運営まで
企業・自治体と若者をつなぐ取り組みと、目的別の支援内容をご紹介しています。
サステナビリティの意味と「サステナブル」との違い

サステナビリティ(sustainability)は名詞で「持続可能性」、サステナブル(sustainable)は形容詞で「持続可能な」を表します。「サステナビリティを高める」「サステナブルな調達」といった使い分けです。異なる活動を指す2つの制度ではなく、基本的に同じ方向性を、状態・概念として述べるか、物事の性質として述べるかの違いです。
関連する「持続可能な開発」は、環境や社会の条件を損なわずに発展を考える概念です。国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、経済・社会・環境の3つの側面を、統合して進めることを示しています。「企業が長く存続できればよい」という意味だけに狭めず、その活動を支える自然や人々の生活にも目を向けることが大切です。
例えば、地域で使い捨て容器を減らす場合、容器の材質だけを確認して終わりにはできません。回収や洗浄を担う人、利用者の負担、費用を支払う仕組みまで考えて初めて、続けられる活動になります。これは考え方を説明するための例であり、再使用容器があらゆる条件で環境負荷を下げると断定するものではありません。
資料に「サステナブル」と書かれていたら、「何について持続可能と言っているか」「どの範囲・期間を見ているか」を確認しましょう。言葉だけで取り組みの良し悪しを判断せず、対象と根拠を確かめるのが出発点です。
環境・社会・経済の3つの側面を、身近な仕事で考える

3つの側面は、取り組みを3種類に仕分けて終わるためのものではありません。同じ施策を違う角度から見て、見落としや負担の偏りを確認するために役立ちます。環境施策にも人の働き方や費用が関わり、地域の雇用づくりにも資源の使い方が関わります。
| 側面 | 確認したいこと | 仕事との接点の例 |
|---|---|---|
| 環境 | 自然環境や資源への負荷を抑えられるか | エネルギー、廃棄物、水、原材料、生物多様性 |
| 社会 | 人の尊厳・安全・機会が守られるか | 労働環境、人権、製品の安全、学び、地域の参加 |
| 経済 | 価値を生み、活動を支える仕組みが続くか | 適正な取引、担い手、費用と収入、地域の産業 |
環境の側面では、電力の使用量や廃棄物など、事業が自然に与える影響を考えます。社会の側面では、働く人や利用者の安全、公平な参加、取引先を含む人権などを見ます。経済の側面では、売上だけでなく、必要な人材・設備・資金を確保し、価値を生む活動を続けられるかを確認します。
例えば地域産品を使うイベントなら、輸送や廃棄の負荷、出店者・来場者の参加しやすさ、生産者に無理のない対価という問いが立てられます。「地元産だから持続可能」と決めつけるよりも、仕入れ方、使い切る量、継続可能な運営費を具体的に確認した方が、改善点を見つけやすくなります。
3つの側面は常に簡単に両立するとは限りません。導入費用を抑えるほど現場の手間が増える、といった場合には、誰にどの負担が生じるかを整理し、関係者と代替案を比べます。この視点が、単発の良い活動から、続けられる仕組みへ進む助けになります。
SDGs・ESG・CSRとの違いを比較する

サステナビリティ、SDGs、ESG、CSRは、別々の活動を競い合う言葉ではありません。一つの取り組みに複数が関わることがありますが、何を説明する言葉なのかが異なります。まずは次の役割の違いを押さえると、資料を読みやすくなります。
| 用語 | 主に表すもの | 実務での使い方 |
|---|---|---|
| サステナビリティ | 持続可能性という状態・考え方 | 社会や事業が将来にわたり成り立つ条件を考える |
| SDGs | 持続可能な開発に向けた国際的な目標 | 取り組む課題と世界の共通目標との関係を整理する |
| ESG | 環境・社会・ガバナンスという観点 | 企業や投資先の取り組み・リスク・運営を捉える |
| CSR | 企業の社会的責任 | 企業が社会や環境に与える影響に責任を持つ |
SDGsは、サステナビリティを目指すための共通目標
SDGsは、2015年に国連で採択された2030アジェンダに含まれる17の目標と169のターゲットです。2030年に向けた共通の目標体系であり、サステナビリティという考え方そのものの別名ではありません。目標のアイコンを活動に添えるだけでなく、「どの課題に、どう貢献するのか」「別の課題を悪化させないか」を確かめます。出典:国連・2030アジェンダ。
ESGは、環境・社会・ガバナンスから捉える観点
ESGはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字です。ガバナンスには、意思決定、監督、説明責任など、組織を適切に運営する仕組みが関係します。責任投資原則(PRI)は、投資分析や意思決定などへESGの課題を組み込む原則を示しています。ESGの「G」は経済を意味する言葉ではないため、環境・社会・経済の3側面と一対一に置き換えないようにしましょう。出典:PRI・責任投資原則。
CSRは、寄付やボランティアだけに限られない
CSRはCorporate Social Responsibility、企業の社会的責任です。企業が社会や環境に及ぼす影響に責任を持つ考え方で、寄付や社会貢献イベントだけでなく、働く人への対応、公正な取引、商品・サービスの提供の仕方にも関わります。ISO 26000は企業を含む組織の社会的責任についてのガイダンスであり、認証のための規格ではありません。出典:ISO・ISO 26000。
CSRの具体的な活動を検討したい場合は、CSRの意味と活動の進め方も参考にしてください。言葉を切り替えること自体より、実際の事業や行動がどう変わるかが重要です。

サステナビリティ推進・CSRのご担当者へ
目的と活用先から、
実践の形を考える。
若者の経験や関心を、企業・自治体のテーマとつなぐ対話を企画しませんか。参加者との接点づくり、問いの設計、当日の運営まで、目的に合うプログラムを検討します。
- 若者との接点づくり
- 目的に合う対話設計
- 企画から運営まで
企業・自治体と若者をつなぐ取り組みと、目的別の支援内容をご紹介しています。
企業や自治体の仕事に、なぜサステナビリティが関わるのか

企業の事業は、原材料、エネルギー、働く人、取引先、地域のインフラなどに支えられています。自治体の施策も、地域の自然、住民の生活、産業や財源と切り離せません。サステナビリティは、これらの前提を将来にわたって保ち、必要な変化を考える視点になります。
例えば人手不足が続く地域で観光客を増やす施策を考えるなら、集客数に加え、交通、住民生活、働く人の負担、地域に残る収入も見る必要があります。製品の素材を替える企業であれば、原材料の供給や環境負荷に加え、調達先の働き方や品質、利用者が負担する価格まで検討します。いずれも本業の判断に関わる話です。
取り組みによって信頼、業務改善、新たな連携などにつながる可能性はあります。ただし、サステナビリティを掲げれば売上が上がる、採用がうまくいくといった結果を一律に保証できるわけではありません。誰のどんな課題に応えるかを明確にし、実施後の変化を確かめる必要があります。
初めて担当する場合は、すでにある業務や施策を棚卸しし、「活動から影響を受ける人」「活動を続けるために必要な資源」「改善できる判断」を書き出してみましょう。環境部門だけで抱えず、事業、調達、人事、地域担当など、実際に業務を動かす人と話すことが役立ちます。
関係者との対話をどう企画し、意見を施策に活かすかは、ステークホルダーエンゲージメントの進め方で詳しく整理しています。
企業・自治体の実践例から、考え方を具体化する

ここではRe-Generationが関わった3つの実践を紹介します。いずれもサステナビリティを考える対話や学びの事例であり、企業・自治体の取り組み全体を評価したり、環境負荷削減の効果を証明したりするものではありません。
NTT東日本:都市と地方の関係を見える化する

2025年7月13日にNTT東日本本社で開催した「地域循環ミライサミット」では、地域循環型社会の取り組みに関するレクチャーと、都市と地方の現状・理想を考えるワークショップを実施しました。参加者は、人や地域の関係を図にし、自分の活動と結びつけたアクションプランを検討しました。出典:NTT東日本との実施レポート。
この事例から学べるのは、環境を単独の問題として捉えず、地域の人や活動の関係とともに考えることです。説明を聞くだけでなく、生活や活動との接点を言葉にする段階を設けると、抽象的な概念を話し合いやすくなります。
NEC:暮らしや働き方も、未来社会を考える入口になる
2024年9〜10月、NECとRe-Generationは関西・九州・東北で、2030年の自分と未来社会を考えるプログラムを実施しました。社員によるレクチャーに加え、参加者自身の経験や関心を言語化し、政治・行政、文化、技術、暮らし・働き方などの切り口から未来像を検討しました。出典:NECとの実施レポート。
サステナビリティを「環境の専門知識がある人だけの話」にしないために、自分が感じる暮らしの課題から入る方法があります。ただし、参加者の声はその場の経験であり、若者全体の意見や事業の成果と同一視しないことが大切です。
兵庫県:自然の保全と、地域での営みを一緒に考える
兵庫県主催の「ひょうごZ世代 里山・里海環境リーダー育成プログラム」では、Re-Generationが企画運営を担当。2025年5〜9月、ワークショップと現地でのフィールドワークを組み合わせ、国際フォーラムで提言を発表しました。地域の事業者の取り組みと課題に触れ、自然を活かした営みも学んだ事例です。出典:兵庫県の実施レポート。
自然を守ること、地域の担い手と関わること、活動を続ける方法を考えることが、一つの学びの中でつながっています。提言の発表と、その後に地域で起きる変化は分けて確認する必要があります。
最初の一歩は、活動の目的と確かめることを言葉にする

サステナビリティを理解する最初の一歩は、難しい用語をすべて覚えることではありません。一つの業務や地域の取り組みを選び、目的、行動、確認することを自分の言葉で説明できるようにすることです。
| 確認する点 | 問いの例 |
|---|---|
| 目的 | 誰のどんな課題を、なぜ今扱うのか |
| 対象と範囲 | どの事業・地域・期間を含み、何を含めないのか |
| 具体的な行動 | これまでのやり方から何を変えるのか |
| 負担と影響 | 別の人や場所へ負担を移していないか |
| 確認する根拠 | 実施の記録と、実際の変化をどう分けて捉えるか |
例えば学習イベントであれば、開催回数や参加人数は「実施したこと」を確認する情報です。参加者がテーマを説明できるようになったか、次の活動へ進んだかは、別に確かめる情報になります。さらに地域の環境や暮らしが改善したかは、期間や対象を決めて別の検証が必要です。活動した事実を、すべての成果の証拠に置き換えないようにしましょう。
社内資料や企業の開示を読むときは、サステナビリティレポートの読み方、環境をテーマに学びの機会をつくるときは、企業の環境教育の進め方も参考になります。基本の意味を押さえたうえで、今の仕事で変えられる一つの判断へつなげていきましょう。
| 読者の問い | 詳しく読む記事 |
|---|---|
| 方針を事業と実行につなげたい | 経営戦略とのつなげ方 / 推進体制と実行計画 |
| 優先するテーマを決めたい | マテリアリティの特定と見直し |
| 関係者の声と社員の学びを活かしたい | ステークホルダーとの対話 / 研修・対話・実践による社内浸透 |
| CSRと社会貢献活動を整理したい | CSRの意味と進め方 / CSR活動の事例と選び方 |
| 他社の取り組みを比較したい | 事業・環境・社会から見る企業事例 |
| 活動の成果を確かめたい | KPIの選び方と評価例 |
| 情報を読み、相手に伝えたい | レポートの内容と読み方 / 活動を伝え、対話につなげる方法 |
| 生活者に選ばれる商品を考えたい | 消費者理解から始めるマーケティング |

サステナビリティ推進・CSRのご担当者へ
次の取り組みを、
一緒に具体化しませんか。
若者との対話や環境学習、地域共創の企画について、支援内容と実施事例をご覧いただけます。ご検討中のテーマや参加対象に合わせてご相談ください。
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